海洋消失
海洋消失(かいようしょうしつ, Ocean disappearance)は地球上の海の水がなくなることである。
概要
太陽系の中で海があるのは地球だけである。地球表面の約7割は海洋である。46億年前に地球が誕生したあと、10億年後までに海が出来た。海水が惑星の長期間存在するためには、惑星がハビタブルゾーンに位置しており、磁気圏をもち、十分な重力があることが必要である。惑星に大気が存在することも重要な要素となる。 ハビタブルゾーンから太陽に近い内側では、温室効果が強くなり水が蒸発してしまう。外側の境界は、惑星表面が凍るため、海が出来ない。
火星
火星にはかって地球と同じように大量の水を持つ惑星であったとされる[1]。水がどこに行ったのか、まだ結論は出ていない。いくつかの仮説が出されている。
宇宙放出説
火星の磁気圏は弱いため、水分が水蒸気となって惑星の外へ逃げる。
サイズ説
火星は大量の水を保持するにはサイズが小さすぎる。
地殻浸透説
火星の水の大半は、火星地殻の岩石内に閉じ込められている。
地球の海水の地球内部への浸透
海洋プレート境界にある「アウターライズ断層」から、海水が海底下に浸み込んでいく。マントルが地下でどれくらいの水を含んでいるのか、実験で求めた。沈み込む水の量は地球全体で毎年23億トンであり、現在の海から毎年この量が失われていくとすると、約6億年で海の水はなくなる計算になるという。海洋プレートから水が絞り出され、上昇したマグマと一緒に地上に放出されるが、その量は、地球内部に潜り込む水に比べると、はるかに少ないため、海水が減少していくことになる[2]
海が焼失するとどうなるか
シナリオとして次が考えれれる。 「海が無くなる」 と 水循環がなくなるから、雨は降らない。そうなると生育に水分を必要とする作物は育たない。つまり食料がなくなる。食物連鎖が切れて、生物の危機が訪れる。
注
- ↑ V. R. Baker, R. G. Strom, V. C. Gulick, J. S. Kargel, G. Komatsu & V. S. Kale(1991)”Ancient oceans, ice sheets and the hydrological cycle on Mars” Nature, vol352, pp.589–594
- ↑ Kohei Hatakeyama, Ikuo Katayama, Ken-ichi Hirauchi & Katsuyoshi Michibayashi(2017)”Mantle hydration along outer-rise faults inferred from serpentinite permeability” Scientific Reports volume 7, Article number: 13870