高尾山

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'''高尾山'''(たかおさん<ref>{{Cite web |url=http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/135177/m0u/ |title=たかおさん【高尾山】の意味 - 国語辞書 - goo辞書 |accessdate=2014-02-17}}</ref>)は、[[東京都]][[八王子市]]にある[[高さ#地理|標高]]599[[メートル|m]]の[[山]]である。東京[[都心]]から近く、年間を通して多くの観光客や登山者が訪れる。古くから修験道の霊山とされた。 == 概要 == [[関東山地]]の東縁に位置する山のひとつ。[[明治の森高尾国定公園]]に指定されており、[[キャンプ]]や[[バーベキュー]]など、また、植物の採取、鳥類の捕獲も禁止されている。 中腹には、数多くの建物や[[文化財]]を有する[[高尾山薬王院]]の他、サル園・野草園や標高500[[メートル|m]]からの夜景を楽しめる高尾山ビアマウント(夏季限定)等がある。山頂には、展望台や高尾ビジターセンターがある。長さ1,697[[キロメートル|km]]の[[東海自然歩道]]の起点でもある。また[[明治]]以降、高尾山薬王院の参拝客に元気をつけてもらおうと振る舞ったのが始まりのとろろそばは高尾山の名物であり、ふもとから山頂に点在する各店がそれぞれメニューを提供している。 暖温帯系の[[照葉樹林]]帯([[カシ]]などの常緑広葉樹)と冷温帯系の落葉広葉樹林([[ブナ]]・イヌブナ・[[ナラ]]・[[ホオノキ]]など)・中間温帯林([[モミ]]・[[ツガ]]などの[[針葉樹林]])の境界に位置するため植生が豊かであり、しかも都市部に近い割には比較的よく保たれている。 高尾山は、東京近郊の行楽地として有名であるが、元来は[[修験道]]の[[霊場]]であり、[[真言宗智山派]]大本山[[高尾山薬王院]]有喜寺の寺域となっている。高尾山という名前から真言密教の聖地の一つ・京都[[高雄山]]神護寺に見立てられたこともあり<ref>京都の真言宗宗徒が関東進出の拠点として高尾山を選んだと推定される。このため、高尾山付近には与瀬、桂、小麻、嵐、醍醐等、京都の地名と同様のものが多くある。谷有二『山の名前で読み解く日本史』、青春出版社、2002</ref>、天然の森林が守られてきた。[[中世]]には、[[八王子城]](慈護寺城)主[[北条氏康]]・[[北条氏照]]親子がこの山を保護し、氏照による「本山の竹木の伐採を禁じる」という制札が薬王院に残されている。[[江戸時代]]にも[[天領|幕府直轄領]]となり[[八王子代官]]・[[大久保長安]]が山林保護政策をとり、その書状が同じく薬王院に残されている。その後も[[皇室|帝室]][[御料林]]、[[国有林]]と常に保護されてきた。明治以降、[[牧野富太郎]]をはじめ、多くの研究者により高尾山が最初の発見地として新しい植物が発表された。 山頂から東側は[[八王子市]]や[[相模原市]]などを中心とした[[関東平野]]の街並や、[[筑波山]]、[[房総半島]]、[[江の島]]まで眺めることができる。また西側は[[丹沢山地]]や[[富士山]]を見渡せる。[[冬至]]の前後数日間には、富士山の真上に太陽が沈む[[ダイヤモンド富士]]を見ることができる。また[[八王子八十八景]]にも選ばれている。また、高尾山には古くから[[天狗]]が存在しているとの伝説もある。 [[オリエンテーリング]]の[[パーマネントコース]]も整備されており、[[トレイルラン]]ブームも相まって競技に興じる人がよく見られる。『[[出没!アド街ック天国]] 』においても取り上げられた。 [[1971年]]から毎年春と秋に高尾山から[[陣馬山]]にかけてのスタンプハイクというイベントを開催している。 == 歴史 == * [[744年]] ([[天平]]16年) [[行基]]により開山(初登頂)が行われ、[[高尾山薬王院]]が創建される。これ以降の歴史は薬王院の項参照。 * [[1925年]]([[大正]]14年)標高の改測にて、2年前の[[関東大震災]]による地殻変動の影響で、標高が601.6 m から600.3 m となる<ref name="TokyoNews20130828">東京新聞 2013年(平成25年)8月28日 11版 30ページ</ref>。 * [[1927年]]([[昭和]]2年)[[1月21日]] [[高尾登山電鉄|高尾山ケーブルカー]]が清滝と高尾山の区間で開業した。この年に、[[日本百景]]に選定される。 * [[1930年]](昭和5年)[[3月29日]] [[武蔵中央電気鉄道]]線[[高尾駅 (東京都)|浅川駅前]] - 高尾橋間開通。 * [[1939年]](昭和14年)[[6月30日]] [[京王電鉄|京王電気軌道]]が武蔵中央電気鉄道線を全線休止。 * [[1967年]](昭和42年)[[10月1日]] [[京王電鉄|京王帝都電鉄]][[京王高尾線]][[北野駅 (東京都)|北野駅]] - [[高尾山口駅]]間開業。 * 1967年(昭和42年)[[12月11日]] [[明治の森高尾国定公園]]に指定される。 * [[1972年]](昭和47年)標高の改測にて、標高が599.0 m となる<ref name="TokyoNews20130828" />。八王子市役所では、標高を600 m に回復させるために登山客に土を入れた袋を渡して山頂に積み上げる発案をしたが、実現されることはなかった<ref name="TokyoNews20130828" />。 * [[1991年]]([[平成]]3年)標高が 599.15 m に修正される<ref name="TokyoNews20130828" />。 * [[2005年]](平成17年) [[関東の富士見百景]]に選定される。 * [[2007年]](平成19年)から連続して、[[ミシュランガイド#実用旅行ガイド|ミシュランガイド]]で、最高ランクの“三つ星”の観光地に選出されている<ref>[http://www.city.hachioji.tokyo.jp/kanko/8457/010877.html 高尾山が“ミシュラン”三つ星観光地に] - 八王子市</ref>。 * [[2012年]](平成24年)[[3月25日]] [[首都圏中央連絡自動車道]][[高尾山インターチェンジ|高尾山IC]]から[[八王子ジャンクション|八王子JCT]]までの延長区間2kmが開通。 == 登山 == === 登山者数 === 高尾山は、東京[[都心]]から電車で約1時間で行くことができる交通アクセスの良さや、後に記すように登山道がよく整備されていること、ケーブルカーなどを使って気軽に[[登山]]できることなどから、老若男女問わず登山者数が多い。年間の登山者数は約260万人を超え、世界一の登山者数を誇る<ref>[http://www.takaosan.info/topics36.htm 高尾山の豆知識 登山客は世界一] - 高尾山総合インフォメーション(2009年7月12日閲覧)</ref>。都内の多くの小・中学校が遠足に来る。 === 登山道 === 山頂へは[[登山道]](自然研究路など)が整備されており、各種ルートを組み合わせて低山登山が楽しめる。なお、高尾山の標高は低いが登山口の標高も低いため、標高差は小さくはない。総じて、山頂までの所要時間は全行程徒歩で1時間半から2時間程度である。 ; 各ルートの所要時間<ref name="takaotozan_cource">[http://www.takaotozan.co.jp/cource/ 高尾山登山コース - 高尾登山電鉄株式会社 公式サイト]</ref> :* 1号路 - 登り1時間40分 下り1時間30分 (3.8km) :* 2号路 - 1周30分 (0.9km) :* 3号路 - 登り1時間 下り50分 (2.4km) :* 4号路 - 登り50分 下り40分 (1.5km) :* 5号路 - 1周30分 (0.9km) :* 6号路 - 登り1時間30分 下り1時間10分 (3.3km) :* 稲荷山コース - 登り1時間30分 下り1時間10分 (3.1km) ; 1号路(表参道) : 東海自然歩道にもなっている標準的な登山ルートである。リフト乗り場の北側を進み、山頂駅、薬王院、高尾山山頂に至るルート。途中に展望台の金比羅台がある。夕方、リフト、ケーブルカーの営業時間が終了した場合には、このルートを使って下山することとなる。ルートはほぼ石畳舗装されており、土に触れあいながらハイキングするようなルートではなく、車での資材運搬などにも使われるルートである。ケーブルカー山頂駅までの傾斜はきついが、その後は薬王院などを観て歩くことができる。 ; 2号路 : ケーブルカーの山頂駅からサル山の南麓、神変堂、浄心門を経て山頂駅へ戻るルートである。 ; 3号路 : 神変堂の南側から薬王院の南側斜面をたどり山頂へ至るルートである。薬王院そのものは経由しない。終盤、尾根を直登する厳しい箇所がある。南斜面であるため、周囲は暖温帯の照葉樹林が中心だが、山頂近くではモミが密生する中間温帯林となる。 ; 4号路 : 浄心門から左(北側)に分岐するのが4号路。展望はあまり良くないが、1号路に比べ歩く人が少ないため、静かな山歩きが楽しめる。[[2011年]](平成23年)[[3月]]現在、一部が登りのみの一方通行である。 ; 5号路 : 高尾山山頂直下を周回するルート。 ; 6号路 : 途中に琵琶滝を経由するので琵琶滝ルートと呼ぶ。沢沿いを歩くので夏、暑いときに最適なルート。ケーブルカー山麓駅南側の道路をそのまま進んで行き、保養院の手前を左に入る。序盤は楽だが、沢を詰めた後の山頂直下は階段の急登となる。途中に沢の中を飛び石づたいに登る箇所があるが、この飛び石の部分がわかりにくく、道なりに歩いてしまうと稲荷山コースに合流してしまう。ただし、このまま稲荷山コースを登って山頂直下の階段を避けるコース(稲荷山コースの項参照)もある。また、途中の琵琶滝から右手に尾根を上がり、ケーブルカー山頂駅のあたりの霞台で1号路と合流するルート(特にこの部分のみを琵琶滝ルートと呼ぶ場合もある)があるが、途中は急斜面となっている。なお、琵琶滝では有料で滝修行が体験できる。 ; 稲荷山コース : ケーブルカー山麓駅南側を流れる小川を渡る橋から取り付くルートである。高尾山の南側に伸びる稲荷山の尾根筋を歩くため、尾根の取り付き部だけ少しきつめの登りがあるが、途中標高400m付近の「あずまや」を過ぎると緩やかな登りになる。あずまやのある場所は、冬の天気が良い時期なら[[筑波山]]まで遠望できる良い展望台となっている。あずまやから先はあまりきつい箇所もないが、山頂直下には230余段の階段が待ち構えている。階段下右手に続く道(5号路の一部)が6号路と3号路を併せた道につながり、山頂へと続くので、階段を登りたくない場合は、こちらの方が少し楽。階段下左に入る道は、高尾山周回コースの5号路で、こちらは、[[小仏城山]]方向への迂回路になっている(裏側から高尾山頂に上る道もあるが、やはり階段できつい)。<!--稲荷山コースは、高尾山に登る道の中では一番ハイキングコースというのにふさわしい道である。-->ケーブルカーで登って、下りにこのルートを使う人が多く、ガイドブックにも「下りに適した道」と書かれたりしているが、土がむき出しになって滑りやすい部分が何箇所かあり、また、最後には、きつい下り坂が続く。 ; その他 : バスを使うルートとして、 * JR高尾駅から「小仏」行 ** 「蛇滝ルート」:「蛇滝口」(歩いても30分くらい)から蛇滝を経てケーブルカー山頂駅付近に至る。 ** 「いろはの森(日影沢)ルート」:「日影」から日影沢林道を通り、登山道に分岐し「いろはの森(いろは48字を頭文字とする樹木あり)」を抜ける登山道。4号路、1号路に接続する。 ** 「小仏」から[[小仏峠]]、[[小仏城山]]を経て高尾山山頂へ向かうルート * JR高尾駅から「陣馬高原下」行 ** 「陣馬高原下」から[[和田峠 (東京都・神奈川県)|和田峠]]、[[陣馬山]]、[[小仏城山]]を経て高尾山山頂へ向かうルート など、難度や時間設定を組み替えることができるほど良好な歩道が整備されている。 ; 高尾山から奥 : 高尾山から[[陣馬山]]、[[奥多摩]]の[[三頭山 (東京都)|三頭山]]になどへ向けて、[[奥高尾縦走路]] - [[笹尾根]]や、[[東海自然歩道]]、[[関東ふれあいの道]]など、尾根筋の登山道が通っている。 : アクセスとしては、陣馬山側はバスの本数が少ないため、[[藤野駅]]からバスで陣馬登山口に行き、そこから陣馬山に登り、[[高尾山口駅]]に向かった方が、交通の便は良い。陣馬山へは陣馬高原下バス停から行くこともでき、バス停から登り1時間20分・下り1時間<ref name="yama_kougen"/>。陣馬高原下バス停までは[[高尾駅 (東京都)|高尾駅]]からバスがある。陣馬山の先の[[生藤山]]はさらにバスの本数が少ないので、こちらも、生藤山 → 陣馬山のルートで行った方が交通の便は良い。 : 所要時間は以下の通り<ref name="yama_kougen">山と高原地図 27.高尾・陣馬 2013 (ISBN 4398758852)</ref>。高尾山口駅からは6号路もしくは稲荷山コース利用した場合の所要時間<ref name="takaotozan_cource"/>。 :{| ! !! !! !! !! 東方向 (高尾山口駅方面) !! !! 西方向 (陣馬山方面) |- | 陣馬登山口バス停 || - || [[陣馬山]] ||:|| 登り1時間40分 || || 下り1時間20分 |- | 陣馬高原下バス停 || - || [[陣馬山]] ||:|| 登り1時間20分 || || 下り1時間 |- | [[陣馬山]] || - || [[堂所山]] ||:|| 1時間10分 || || 1時間20分 |- | [[堂所山]] || - || [[景信山]] ||:|| 1時間 || || 50分 |- | [[景信山]] || - || [[城山 (東京都・神奈川県)|城山]] ||:|| 55分 || || 1時間 |- | [[城山 (東京都・神奈川県)|城山]] || - || 高尾山 ||:|| 50分 || || 1時間 |- | 高尾山 || - || [[高尾山口駅]] ||:|| 下り1時間10分 || || 登り1時間30分 |} : 堂所山以外の山頂には売店やトイレがある。陣馬山から高尾山まで歩かなくても、それぞれの山頂から1〜1時間半程度歩けば何らかのバス停に出られる登山道がある。 === 登山上の注意点 === * 東京都内では珍しい[[ムササビ]]の生息域である<ref>[http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2006/07/20g7k300.htm 多摩動物公園情報] - 東京都</ref>。遊歩道の近くに巣穴を持つ個体もいる<!--ので、特に夕暮れ時から夜間に掛けては騒音を出し生活を脅かさないように注意-->。 * 国定公園であり焚き火やキャンプは禁止されている。また、許可車両以外、[[オートバイ]]をはじめ、マウンテンバイクなどの[[自転車]]も入山が禁止されている。 * 不適切な[[靴]]で登山し夜になってしまい灯火を持たない事により、登山続行が困難となるケースがある。<!--衣服や携行品に注意する。--> === 交通 === * [[京王電鉄]][[京王高尾線|高尾線]][[高尾山口駅]]下車 * [[中央本線|中央線]][[高尾駅 (東京都)|高尾駅]]下車、京王電鉄高尾線乗換え 車で来る場合、[[国道20号]]沿いの八王子市営高尾山麓駐車場や[[高尾山薬王院]]祈祷殿駐車場に、数百台駐車することができる。特に混む期間は隣駅の[[高尾駅 (東京都)|高尾駅]]駐車場にも誘導される。<!--しかし、[[ゴールデンウィーク]]などの繁忙期には午前中から満車となって、周辺をさまようことにもなりかねないので注意が必要である。--> 山の中腹(標高470m付近)までは、[[高尾登山電鉄]]の[[高尾登山電鉄|高尾山ケーブルカー]]、あるいは[[高尾登山電鉄|リフト]]で登ることができる。 == 高尾山の植物 == 周辺には、非常に多くの種類の植物が自生していて、[[田中澄江]]により[[花の百名山]]に選定されている。代表する花として[[フクジュソウ|福寿草]]を紹介している<ref>[[田中澄江]]の著書『花の百名山』([[文春文庫]]、[[1980年]](昭和55年)、ISBN 4-16-352790-7)</ref>。 {| class="wikitable" |- ! [[ブナ]] !! [[スギ]] !! [[フクジュソウ]] !! [[スミレ]]!! [[ミツバツツジ]] |- |[[ファイル:Fagus crenata in Ogasayama 2010-10-17.jpg|120px]] |[[ファイル:Nishitanzawa kenminnomori.JPG|120px]] |[[ファイル:Adonis ramosa fukujyusou fujiwaradake 2009 3 2.jpg|120px]] |[[ファイル:Viola violacea Shihaisumire in Hatobukiyama 2008-4-9.JPG|120px]] |[[ファイル:Mitsubatsutsuji.JPG|120px]] |} === ブナ === 高尾山にはブナ(イヌブナが黒っぽい幹なのでクロブナとも呼ぶのに対して、こちらをシロブナと呼ぶことがある)も見られるが、イヌブナの方が数が多い<ref>[http://www.takaosan.info/tree.htm 高尾山の樹木 ブナ<!--項目内に「高尾山のブナは、およそ90本弱と見られています。またイヌブナはおよそ800本。」との記載がある-->] - 高尾山総合インフォメーション(2009年7月12日閲覧)</ref>。ブナに比べ材質が劣るのでイヌブナと呼ばれるが、実はブナと同じように食用になり、鳥やリスの好物である。ブナと異なり、太い幹の周辺から「ヒコバエ」(幹の根元から生える枝)が多数出るのが特徴である。一般に、ブナはより寒冷地に、イヌブナはより温暖地に分布し、高尾山以外の周辺の山にはブナは皆無である。また、現存{{いつ|date=2013年11月}}<!-- See [[WP:DATED]] -->する高尾山のブナはいずれも樹齢200年を越える大木ばかりで、実生や稚樹、若木などはまったく見られない。<!--このことから、高尾山のブナは、江戸時代中期の寒冷期に分布を広げたものが、現在までわずかに生き残っているものと推測されている。--> === スギ === 薬王院境内を中心に[[スギ]]の巨木が成育している。東京都指定天然記念物に指定されているスギ並木<ref>{{Cite web|date=|url=http://www.city.hachioji.tokyo.jp/kyoiku/rekishibunkazai/bunkazai/8929/008932.html|title=高尾山のスギ並木|publisher=八王子市|accessdate=2011-10-22}}</ref>や飯盛スギ<ref>{{Cite web|date=|url=http://www.city.hachioji.tokyo.jp/kyoiku/rekishibunkazai/bunkazai/8929/008933.html|title=高尾山の飯盛(めしもり)スギ|publisher=八王子市|accessdate=2011-10-22}}</ref>などといった樹齢700年とも1,000年とも語られる巨木が何本も存在し、高尾山のシンボルとして、古くから維持管理がなされてきた。こうした先人の努力は、薬王院への祈願が成就した参拝者が、杉苗料として金銭を[[奉納]]する慣習と残されていることからも伺い知れる。 薬王院の境内外は[[国有林]]となっており、ここにもスギ林は広がっている。一丁平に向かう歩道の脇には、[[江戸時代]]に[[韮山]][[代官]]であった[[江川英龍]]が植えた[[人工林]](江川スギ、[[2009年]](平成21年)の段階で樹齢147年)が現存{{いつ|date=2013年11月}}<!-- See [[WP:DATED]] -->している。 === 高尾山で最初に発見された植物 === {| |- |style="vertical-align:top;"| {| class="wikitable" !番号 ![[和名]] ![[科 (分類学)|科名]] |- | 1 |[[アカコミヤマスミレ]] |[[スミレ科]] |- | 2 |[[アケボノミヤマシキミ]] |[[ミカン科]] |- | 3 |[[アケボノオオフジイバラ]] |[[バラ科]] |- | 4 |[[アサカワソウ]] |[[イネ科]] |- | 5 |[[アズマナシ]] |バラ科 |- | 6 |[[イトホロシ]] |[[ナス科]] |- | 7 |[[ウスゲヌスビトハギ]] |[[マメ科]] |- | 8 |[[ウスベニアカショウマ]] |[[ユキノシタ科]] |- | 9 |[[ウスベニニリンソウ]] |[[キンポウゲ科]] |- |10 |[[エダウチミゾシダ]] |[[オシダ科]] |- |11 |[[オオツクバネガシ]] |[[ブナ科]] |- |12 |[[オオツルウメモドキ]] |[[ニシキギ科]] |- |13 |[[オンガタイノデ]] |[[オシダ科]] |- |14 |[[オンガタヒゴタイ]] |[[キク科]] |- |15 |[[キイロミミガタテンナンショウ]] |[[サトイモ科]] |- |16 |[[キランニシキゴロモ]] |[[シソ科]] |- |17 |[[ケタニタデ]] |[[アカバナ科]] |- |18 |[[ケヒメカンスゲ]] |[[カヤツリグサ科]] |- |19 |[[コボトケスミレ]] |スミレ科 |- |20 |[[サツキヒナノウスツボ]] |[[ゴマノハグサ科]] |- |21 |[[シロバナオオジャノヒゲ]] |[[ユリ科]] |- |22 |[[シロバナヒナスミレ]] |スミレ科 |- |23 |[[シロバナフクシマシャジン]] |[[キキョウ科]] |- |24 |[[シロミノアオキ]] |[[ミズキ科]] |- |25 |[[ジンバイカリソウ]] |[[メギ科]] |- |26 |[[ジンバホウチャクソウ]] |ユリ科 |- |27 |[[タカオイノデ]] |オシダ科 |- |28 |[[タカオコバノガマズミ]] |[[スイカズラ科]] |- |29 |[[タカオシケチシダ]] |オシダ科 |- |30 |[[タカオスゲ]] |[[カヤツリグサ科]] |- |31 |[[タカオスミレ]] |スミレ科 |- |32 |[[タカオヒゴタイ]] |キク科 |} |style="vertical-align:top;"| {| class="wikitable" !番号 ![[和名]] ![[科 (分類学)|科名]] |- |33 |[[タカオフウロ]] |[[フウロソウ科]] |- |34 |[[タカオホオズキ]] |ナス科 |- |35 |[[タカオホロシ]] |ナス科 |- |36 |[[タカオヤブマオ]] |[[イラクサ科]] |- |37 |[[タカオワニグチソウ]] |ユリ科 |- |38 |[[タルミヤシャブシ]] |[[カバノキ科]] |- |39 |[[トガリシオデ]] |ユリ科 |- |40 |[[トラノオジソ]] |シソ科 |- |41 |[[ナガバノアケボノスミレ]] |スミレ科 |- |42 |[[ナガホハナタデ]] |[[タデ科]] |- |43 |[[ヒナゲシオカスミレ]] |スミレ科 |- |44 |[[ヒレノブキ]] |キク科 |- |45 |[[フイリイナモリソウ]] |[[アカネ科]] |- |46 |[[フイリタマアジサイ]] |ユキノシタ科 |- |47 |[[ベニガクウツギ]] |ユキノシタ科 |- |48 |[[ボウズシラヤマギク]] |キク科 |- |49 |[[ボウズチカラシバ]] |イネ科 |- |50 |[[ホウチャクチゴユリ]] |ユリ科 |- |51 |[[ホシザキイナモリソウ]] |アカネ科 |- |52 |[[ホソバノミミガタテンナンショウ]] |サトイモ科 |- |53 |[[マルバカシワバハグマ]] |キク科 |- |54 |[[ミドリミツバウツギ]] |[[ミツバウツギ科]] |- |55 |[[ミヤマクマザサ]] |イネ科 |- |56 |[[ムラサキイチリンソウ]] |キンポウゲ科 |- |57 |[[ムラサキオニシバリ]] |[[ジンチョウゲ科]] |- |58 |[[ヤエキツネノカミソリ]] |[[ヒガンバナ科]] |- |59 |[[ヤグルマカエデ]] |[[カエデ科]] |- |60 |[[ヤブザクラ]] |バラ科 |- |61 |[[ヤマミゾソバ]] |タデ科 |- |62 |[[ヨウラククサアジサイ]] |ユキノシタ科 |- |63 |[[レモンエゴマ]] |シソ科 |} |} == 地理 == [[ファイル:2nd class of triangulation point on Mt. Takao taken in 2009 (wide range).jpg|thumb|200px|right|山頂の二等三角点(2009年5月)]] === 三角点 === ; [[三角点#二等三角点|二等三角点]] * 点名「高尾山」 : [[緯度]] 35°37′30.5991 : [[経度]] 139°14′36.992 : [[高さ#地理|標高]] 599.15 m : 所在地 東京都八王子市高尾町高尾山国有林<ref name="kijyun" /> === 周辺の山 === [[ファイル:Fuji from Takao 1.JPG|thumb|200px|山頂から見た富士山]] {| class="wikitable" !山容 !名称 ![[標高]]<br>([[メートル|m]]) ![[三角点]]<br>等級<ref name="kijyun" /> !高尾山との<br>[[距離]]([[キロメートル|km]]) !方角 !備考 |- |[[ファイル:Kumotori-nanatsuishi.JPG|100px]] |[[雲取山]] |2,017.09 | 一等 | 37.3 |{{direction|NW}}北西 |[[日本百名山]]<br>[[各都道府県の最高峰|東京都最高峰]] |- |[[ファイル:Mt.Jinba Kanagawa-no-keisho-50sen.jpg|100px]] |[[陣馬山]] |855 |(亡失) | 7.6 |{{direction|WNW}}西北西 | |- style="background-color:#ccc" |[[ファイル:Mount Takao 20051023.jpg|100px]] |[[高尾山]] |599.15 | 二等 | 0 | |ミシュランガイド(三つ星) |- |[[ファイル:Tanzawa Mountains from Mt.Bukka 01.jpg|100px]] |[[丹沢山]] |1,567.06 | 一等 | 18.3 |{{direction|SSW}}南南西 |日本百名山 |- |[[ファイル:01 Fujisan from Yamanakako 2004-2-7.jpg|100px]] |[[富士山]] |3,776.24<ref>{{Cite web |url=http://www.cbr.mlit.go.jp/fujisabo/fuji_info/fuji_info-top.html |title=富士山情報コーナー |publisher=国土地理院富士砂防事務所 |accessdate=2011-06-18}}</ref> | 二等 | 55.2 |{{direction|SW}}南西 |日本百名山<br>日本最高峰<br>世界文化遺産 |} === 源流の河川 === 源流となる[[河川]]は[[多摩川]][[水系]]で、[[東京湾]]へ流れる。 * [[南浅川]](多摩川水系) * 案内川(南浅川の[[支流]]) == ナイキ タカオ == [[ナイキ]]の靴で「タカオ」というものがある。[[アメリカ合衆国|アメリカ]]からナイキの開発者が「ある程度整えられたフィールド」を歩くための靴を開発するために高尾山へやってきたとき、重い頑丈な靴を履いた人ばかりを見た。そのような靴は、急斜面や荒れた路面を重い荷物を背負って歩くために作られたもので、高尾山のような、ゆるい、ある程度整えられた道を歩くのには適していなかった。そこで、頂上までの距離が短い高尾山のようなハイキングコースを歩くために作られたのが、「ナイキ タカオ」である。<ref>{{Cite web|date=|url=http://www.tv-tokyo.co.jp/adomachi/backnumber/20060527/30929.html|title=ナイキ タカオ|publisher=テレビ東京|accessdate=2014-01-23}}</ref> 発展モデルとして「テング」も発売されている。 == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} {{reflist}} == 関連図書 == * 『東京都の山』[[山と渓谷|山と溪谷社]]、[[2005年]](平成17年)、ISBN 978-4-635-02312-2 * 『高尾山自然観察ガイド』山と溪谷社、[[2005年]](平成17年)、ISBN 978-4-635-42033-4 * 『高尾・陣馬 2010年版(山と高原地図27)』[[昭文社]]、[[2010年]](平成22年)、ISBN 978-4-398-75707-4 == 関連項目 == * [[明治の森高尾国定公園]] * [[奥高尾縦走路]]、[[東海自然歩道]]、[[関東ふれあいの道]] * [[日本百景]]、[[関東の富士見百景]]、[[東京都の観光地]]、[[ミシュランガイド#ミシュランガイド東京|ミシュランガイド東京]] * [[花の百名山]] <!-- * [[ハコイリムスメ!]] - 高尾山が舞台の[[フジテレビジョン|フジテレビ]]系[[テレビドラマ]] * [[アメリカ横断ウルトラクイズ]] - 1982年に特別編「史上最大の敗者復活戦」の第2次予選会場とし[[高尾山薬王院]]が使用された。 --> == 外部リンク == {{Commons|Category:Mount Takao}} * [http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?b=353730.6&l=1391436.99 国土地理院 地図閲覧システム 2万5千分1地形図名:与瀬] * [http://www.takaotozan.co.jp/ 高尾山公式ウェブサイト] - ケーブルカーを運行する高尾登山電鉄が制作管理 * [http://www.tokotoko-takao.info/ とことこ高尾山] - 京王グループが制作 * [http://www2.ocn.ne.jp/~takao-vc/index.html 高尾ビジターセンター] * [http://www.rinya.maff.go.jp/kanto/takao/index.html 関東森林管理局高尾森林センター] * [http://www.takaosan.or.jp/index.html 高尾山薬王院公式ホームページ] * [http://www.takaosan.jp/index.html 高尾山商店会公式ホームページ] * [http://takao.yamakei.co.jp/ 高尾山ナビ] - 山と渓谷社が制作 * [http://www.naturetakao.com/ 高尾山の自然を守る市民の会] {{DEFAULTSORT:たかおさん}} [[Category:東京都の山]] [[Category:東京都の自然景勝地]] [[Category:日本百景]] [[Category:関東の富士見百景]] [[Category:八王子市の地理]] [[Category:日本の森林]] [[Category:関東山地の山]]