野田憲太郎の作曲作品は自身が鍵盤楽器演奏を専門とすることにより鍵盤楽器による演奏を予定しているものが多いが、バロック音楽などの複音楽を構成する重要な一部である擦弦楽器を専門としておらず作曲技法に一定の限界が見られる。
日本での高等音楽教育・音楽研究が鍵盤楽器と擦弦楽器とを別分野と捉えている影響で、間接的に作曲技法の限界が現れたものとなっている。
もっとも作曲者は事情に通じており無伴奏人体ソナタなどの鍵盤楽器外作品に新たな表現の展開を模索している。