高齢出産

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高齢出産(こうれいしゅっさん)とは、統計上または医学上、女性が35歳以上で子どもを産むことを指す。

なお、「35歳」という年齢に何か特別な意味があるのかと誤解されがちであるが、高齢出産のリスクは30歳を超えた頃から徐々に高まっていくものであり、35歳を境に「急に」危険性が上昇するわけではない。

高齢出産の増加

厚生労働省統計情報部によれば、2005年に40歳以上で出産した女性は2万348人で、1958年以降47年ぶりに2万人を超えたことを発表した。同統計によれば、35歳以上の出産は全体の16%に上り、うち第一子出産が3人に1人という状況であった。

高齢出産の「高齢」という意味は、一般語としての「高齢者」(通常60代以上を指す)とは一致していない。閉経後は女性は妊娠しなくなるため(日本人女性の平均閉経年齢は約50歳)、高齢者の女性は、自然妊娠のかたちでは子供を生むことはできない[1]。

高齢出産のリスク

高齢出産のリスクには「高齢妊娠」に関するリスクと「高齢分娩」に関するリスクの2つに分けられる。なお、実際の高齢出産では大半が正常な妊娠·分娩の経過をたどっており、高齢出産が常に高いリスクを伴うということではなく、妊娠·出産時の夫婦の年齢が高いと、若いうちの妊娠·出産と比べて相対的にリスクが高くなるという意味である。

妊娠のしにくさ

年齢が高まるほど卵子の質が劣化し、妊娠しにくくなる。

染色体異常等が起こる可能性

年齢が高まるほど卵子の質が劣化または老化し、染色体異常などが起こりやすくなる。加齢からの精子のDNA損傷による影響も確認されている。

新生児のダウン症の発症率の増加

ダウン症も一種の染色体異常である。

高齢分娩のリスク

高齢分娩の場合、母体が危険なだけではなく、流産·早産する危険性が増加する。危険因子は、遷延分娩·分娩停止、分娩時出血量の増加、産道損傷、帝王切開率の上昇、などがあげられる。

第一子出産が高齢出産である場合は、母体の健康が損なわれる危険性や、流産·早産の可能性が増加する。経産婦が高齢出産を行う場合は、非経産婦の場合と比べて母体の健康に対するリスクは相対的に低くなるが、生まれてくる子供の健康に関するリスク(染色体異常が発生しやすくなることなど)は同じである。

まとめ

高齢出産の増加は年齢が高い妊婦が安全に出産する事が可能になった事を反映するものにすぎない。確かに不妊治療などの進歩によって高齢になってからの妊娠も増加はしているが、高齢になるにつれて妊娠を可能とする条件·能力は低下していくという前提条件は変わっておらず、妊娠した女性の負担も決して軽くはないことに留意する必要がある。

また、女性に比べれば影響は小さいとはいえ、男性側もやはり加齢によって子供ができにくくなることを認識しておく必要がある。

高齢出産は、経済的に余裕ができてから子育てができるケースも多いなど、社会的には必ずしもデメリットばかりではないが、肉体的な負担については留意する必要がある。


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