ジュリア・クリステヴァ
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ジュリア・クリステヴァ(ユリア・クリステヴァ、Julia Kristeva、1941年6月24日 - )は、ブルガリア出身の文学理論家で、著述家、哲学者。ユダヤ系。
1965年以降、パリに在住し、ここで活動している。1973年からパリ第7大学(ドゥニ・ディドロ)の教授。彼女の言語学や言語に関する著作は、文学論雑誌"Tel Quel"の共同編集者としての活動を通して、ポスト構造主義的な議論をその特徴としている。彼女は、取り分けフロイトやラカンの精神分析、ロシアの形式主義(彼女はその中で仲介者的な役割を演じていて、それによりミハイル・バフチンのフランスの知的シーンへの紹介者となった)やヘーゲル主義から影響を受けている。研究活動と平行して、一連の小説も発表している。
既に1970年代初めからクリステヴァは、家父長社会の中での女性のアイデンティティの問題を取り上げてきた。その精神分析との思想的な親近性のため、フェミニストの文芸理論家の一部から非難を受けたこともある。それ以前には、その著作がジェンダー研究に多大な影響を及ぼしていた時期もあるが、当時、「フェミニスト的」という呼ばれ方を彼女は頑なに拒絶していた。
アラン・ソーカルらによって、数学・科学用語を不適切に使用した論文であるとの批判を受ける(→ソーカル事件参照)。
邦訳著書
単著
- 『中国の女たち』(せりか書房, 1981年)
- 『ことば、この未知なるもの――記号論への招待』(国文社, 1983年)
- 『セメイオチケ(1)記号の解体学』(せりか書房, 1983年)
- 『セメイオチケ(2)記号の生成論』(せりか書房, 1984年)
- 『恐怖の権力――「アブジェクシオン」試論』(法政大学出版局, 1984年)
- 『テクストとしての小説』(国文社, 1985年)
- 『ポリローグ』(白水社, 1986年)
- 『初めに愛があった――精神分析と信仰』(法政大学出版局, 1987年)
- 『外国人――我らの内なるもの』(法政大学出版局, 1990年)
- 『女の時間』(勁草書房, 1991年)
- 『詩的言語の革命(1)理論的前提』(勁草書房, 1991年)
- 『サムライたち』(筑摩書房, 1992年)
- 『黒い太陽――抑鬱とメランコリー』(せりか書房, 1994年)
- 『彼方をめざして――ネーションとは何か』(せりか書房, 1994年)
- 『プルースト――感じられる時』(筑摩書房, 1998年)
- 『詩的言語の革命(3)国家と秘儀』(勁草書房, 2000年)
- 『斬首の光景』(みすず書房, 2005年)
- 『ハンナ・アーレント――〈生〉は一つのナラティヴである』(作品社, 2006年)
共著
- (カトリーヌ・クレマン)『母の根源を求めて――女性と聖なるもの』(光芒社, 2001年)
編著
- 『記号の横断』(せりか書房, 1987年)