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2020年1月1日 (水) 11:10時点における田舎の西北 (トーク | 投稿記録)による版 (概説)

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(かた、英:shoulder)とは、

  • 人の胴体に接続する部分の上部、および、そこからの付け根にかけての部分。
  • 動物の前肢が胴体に接続する部分の上部。

概説

肩は、運動器としてとらえると、ヒトのさまざまな関節のなかでもっとも複雑な動きをする関節だと知られている[1]。 「肩」は(医学的見ると)、広義の肩である肩複合体(胸骨、鎖骨、肩甲骨、肋骨、上腕骨から構成される複合体)を指す場合と、(狭義に)その肩複合体の一部である肩甲骨と上腕骨の関節(肩甲上腕関節)に限定して指す場合がある[2]

実際的には(たとえば人々が「肩」の不調などを訴える時、医療やスポーツ医学などで「肩」の治療を行う場合など、「肩」がテーマになっている時)その「肩」はほとんどの場合、(たとえ一般人は理解・自覚できていなくても、実際には)広義の肩複合体が関係している。

肩複合体は、胸骨・鎖骨・肩甲骨・肋骨・上腕骨から構成される複合体であるが、特にポイントとなることは、 (人体の背中側で)スライド運動をする肩甲骨と、その肩甲骨の端に位置する球関節(肩甲上腕関節)が組み合わさった構造を持っている、ということである。

その結果、運動器としての肩は、回転(外転内転)、旋回外旋内旋、上方回旋、下方回旋)、挙上、下制(引き下げ)、牽引(前方牽引、後方牽引)、屈曲(関節屈曲、水平屈曲)、伸展(関節伸展、水平伸展)などの複雑な動作が可能である。また、多くの筋肉から構成されており、強い力を出すことができる。

頂上より少し下がった平らな部分を山の肩、瓶の肩などと呼ぶことがある。

デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続けていると、肩付近の筋肉に不快感や痛みを訴える肩こりの症状が現れやすい。広く、肩もみ、肩のマッサージなどをして改善がはかられている。「肩こり」という場合の「肩」には、肩複合体に加えて、大雑把に(頚部)までも含めることがある。

肩複合体の構造

肩複合体を構成するは胸骨・鎖骨・肩甲骨・肋骨・上腕骨であるが、("関節"という観点からは)3つの解剖学的関節および2つの機能的関節から成る[2]

解剖学的関節[2]
機能的関節[2]
  • 肩峰下関節 : 上腕頭骨とその上の肩峰の間の滑動部(スライドする部分)。解剖学上の杓子定規な定義では「関節」には当たらないが、機能的に非常に重要であり、「第2肩関節」と呼ばれている。[2]
  • 肩甲胸郭関節 : 肩甲骨前面と胸郭の後外側面との間の「機能的関節」である[2]肩甲骨が、背の筋肉の中、肋骨の上を活動する[2](つまり、肋骨の表面を、肋骨と平行に、スライドするように動き回る)。(肩甲上腕骨に次いで)可動性が大きい[2]

「狭義の肩」つまり肩甲上腕関節のほうは、球形の上腕骨頭がそれを包み込む形の関節窩にはめ込まれた構造を持っている。周囲は三角筋棘上筋棘下筋大円筋小円筋肉肩甲下筋など多くの筋肉靭帯で囲まれている。その胴体部分は肩甲骨につながっている。肩甲骨の上部と頚部前方を結ぶ細長い骨が鎖骨であり、その後方は皮膚が少し凹んでいることから正面から見た場合に容易に確認できる。

ゼロポジション

ゼロポジション(Zero Position)とは1961年にインドの整形外科医であるSaha.A.Kによって発見された、腕を脱臼や骨折などをしてしまった患者にあまり資金や手間(手術)をかけずに治療するために見つけた肢位の事である。定義は、肩甲骨の棘突起と上腕骨の長軸が一致し、肩周辺の筋収縮力が均等になり、自発的な筋力発揮では回旋運動が不可能になるポジショニングの事である。
  1. 『学鐙』第76巻、1979、p.63
  2. 2.00 2.01 2.02 2.03 2.04 2.05 2.06 2.07 2.08 2.09 2.10 川島敏生『ぜんぶわかる 筋肉・関節の動きとしくみ事典』成美堂出版、2013、p.10-11