Chakuwiki
Chakuwiki(チャクウィキ)とは、個人の持つ主観を共有するという主旨のもとに運営されているウィキサイトである。主に地域情報を扱う。管理人は一刀(いっとう)。
概要
このサイトは個人のブログサイト借力(ちゃくりき)が基となっている。借力では、2003年7月に始められた、"何の資料も参照せずに地図を書くとどうなるか"をテーマとして、ブログのコメント欄に寄せられた勘違いや思い込みの情報を日本地図の画像に順次反映させてゆく「バカ日本地図」、2004年2月からの「バカ世界地図」等、次々とユーモラスなプロジェクトが企画進行され、一部は現在も継続されている。また、一部のコンテンツは書籍として出版されるまでになり、サイトの知名度も上昇していった。 その後、「各『県』の噂を持ち寄ることによって、ご当地のイメージを明らかにする」をテーマとして、主として全く知らない地方・外国に関する思い込みを共有するための「ご当地の噂」がスタートされ、2005年3月にはMediaWikiにプラットフォームを移し「借力のウィキ版」という意味で"チャクウィキ"と名づけられ、開始された。しかし、間違った内容が投稿されているのも事実である。 なお、チャクウィキでいう「バカ」とは、罵倒語としての否定的な用法ではなく「自分のバカさかげんを自覚している人」[1]という肯定的な意味、あるいは「バカバカしい、間抜けな物・事・勘違い」、という意味として用いられている。とはいえ、最近では新参ユーザーの増加などにより、事実に基づいた主観的ながらも的にあたる(うなずける)投稿が主流となりつつある。また、趣旨に反したバカでない投稿も増えており、古参ユーザーを困らせている。 長らく決まっていなかったチャクウィキ利用者の公式愛称は2008年4月1日「借民(chakumin)」に決定した。
投稿スタイル
ウィキペディアのような百科事典スタイルではなく、多数の投稿者が、テーマ(主に地域)毎の「思い込み」を短い箇条書き形式で少しずつ書き足していき、それに対するコメントや関連する噂を入れ子形式で追加するというスタイルをとっている。一見するとチャットや電子掲示板に類似しているが、そのスタイルは独特のものであり、したがってサブスタブという概念もなく、テーマ毎に一行でも投稿があれば記事として成立する。 そして、その記事の改竄・削除は違反行為とされる為、注意が必要である。 チャクウィキのユーザーには、ウィキペディアンを兼ねる者や2ちゃんねらーを兼ねる者も多く内在しており、それらから経由されてきた情報や噂を供給している。しかし、チャクウィキ独特のスタイルはそれらの書式とはかなりの相違があるためか、戸惑うユーザーも少なくない。そのためか、スタイルに合わせられずに長文の解説・論説を書き並べてしまうケースも多々見受けられている。これらはチャクウィキでは分割あるいは削除の対象となる。また、2ちゃんねらーの大量流入により「バカの風潮が弱まった」など2ちゃんねらーを煙たがるチャクウィキユーザーも多い。
記事
チャクウィキの公式な目的は、バカが、バカなテーマで、バカな情報を集める場と記されており、具体的には、「物事のイメージを噂から明らかにすること」・「バカな情報の共有」・「客観的事実により主観(勘違い・思い違い・噂)の共有」等とされている。ただし最近では、その比較的自由な性質から方向性がさまざまに拡大され、"もし地球の誕生日が1872年4月1日だったら"というケースの思い込みや妄想を馬鹿なりにシミュレートする「地球の歴史100年委員会」や"もし日本国内にこんな独立国があったら"という妄想を、その地域の噂などの交えながら具体化する「勝手に国づくり」、さまざまなステレオタイプに対する思い込みを共有・検証する「ベタの法則」など、さまざまなコンテンツが、利用者によって作られ、進行されている。また、Chakuwikiの英語版も存在する。ただし、日本語版とほとんど変わりはないようだ。
アンサイクロペディアとの相違
アンサイクロペディアとは、ユーモラスな点で共通点があるが、いくつかの根本的な違いもみられる。例えば、アンサイクロペディアでは原則として百科事典調の記事を書くことを推奨するが、一方でチャクウィキ上記のような投稿スタイルにより記事を共同で作っていくという点が挙げられる。また記事の内容も、アンサイクロペディアは事実の風刺や投稿者のネタで成立しているのに対し、一応「思い込みを共有する」という、大真面目な原則を持っており、基本的に「思い付き」によるネタがあまり歓迎されない点で根本的に異なっている。しかし「勝手に国づくり」など、一部のテーマはアンサイクロペディアと似通っているため、区別のつかない投稿者も見受ける。また、ウィキペディアとアンサイクロペディアの両方の投稿者を兼任するケースが多い事と同様、アンサイクロペディアとチャクウィキの同様で活躍する投稿者も少なくない。
簡潔に言えば、アンサイクロペディアのテーマが「ユーモア」であるのに対し、チャクウィキのテーマが「バカ」であるという違いである。