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2017年9月27日 (水) 21:06時点における最新版
後付け設定(あとづけせってい)は、小説や映画、ゲームなどの各種フィクションにおいて発表当初の設定に新たな事項を追加する行為、もしくは追加された事項そのものを指す用語を指す。
概要[編集]
娯楽としてのフィクションのプロットを構成する際、登場人物や世界観、それらに相応しい小道具など様々な設定を必要とする。しかし、予め最初に立てられた設定内に不備や情報不足が存在し、ストーリーに致命的な欠落や矛盾を生じる要因となりうる場合、製作者が新たな設定を追加することにより問題の回避、あるいは修復を行うことがある。一般的にこの行為、もしくは状態を「当初立てられた初期設定に後から付け足された設定」という意味で後付け設定と呼ぶ。類似の用語に裏設定があるが、こちらは作品発表後も一般には公表されなかった設定を指す。
後付け設定のほとんどはストーリーに織り込まれる形で追加され、また後付け設定に見えるものでも製作者の当初からの意図である可能性もあるため、ある設定が後付け設定かそうでないかは製作者側が公表していない限り明確に峻別することは難しい。後付け設定は製作者自ら設定の不備を露見することとしてネガティブなイメージで捉えられる例も少なくない。その一方、秀逸な後付け設定がなされ、過去に存在した設定の不備も含めて愛される作品となった例も数多く存在する。
後付け設定の例[編集]
漫画・アニメ[編集]
- 『機動戦士ガンダム』およびガンダムシリーズ - ミノフスキー物理学など
- 当初の設定では単にSF的要素を含ませたいという考えから架空の物理学、ミノフスキー物理学が形骸的に設定されたに過ぎなかった。しかしシリーズ放映開始後、巨大な宇宙戦艦がストーリー展開の都合から大気圏内に降りて飛行することとなり、一見して不条理なその飛行原理を説明するために「ミノフスキークラフト」という架空の重力制御システムが設定されている。
- また続編シリーズ展開においても、製作過程上の手違いなどから新たな設定が付け足されたという例は枚挙に暇が無い(『機動戦士Zガンダム』に登場するモビルスーツ、ディジェに纏わる一件など)。
- さらに公式に後付け設定がなされた結果、無視されることとなった設定もある。
- 『キン肉マン』(ゆでたまご) - 超人墓場など
- 『キン肉マン』に登場する超人たちは当初の設定では常人と同様死亡後は二度と生き返らなかったが、後に超人墓場といういわば超人たちの死後の世界が登場し、過去のストーリーで死亡したキャラクターが生身の体をもって生き返るようになった。同作品では頻繁に読者からのキャラクター人気投票が行われており、それに伴う人気キャラクターの再登場というファンからの要望に応えたものとされている。
- またロビンマスクのロビンスペシャル、プリンス・カメハメの52の関節技など、他にも後付け設定に基づいて作られたと思われる必殺技が少なからず存在する。
- 『北斗の拳』(原作・武論尊/作画・原哲夫)
- 当初は主人公であるケンシロウとその宿敵・ラオウの決着をもって完結する意向だったが、爆発的な人気を博したことから当時の編集部が連載継続を要請したため連載続行となった。しかしその後の展開で追加された設定は、今までのストーリーを根本から覆し、主人公を含む主要キャラクターの生い立ちまで変えるもので、明らかな矛盾や辻褄が合わない点が次々と生じている。
- 『ドラゴンボール』(鳥山明)
- 当初ドラゴンボールは「どんな願いもかなえてくれる」はずだったが、サイヤ人編で「創造主の能力を遥かに超える願いは叶えられない」という設定が追加された。その結果「創造主の神は1人も蘇生させることができないが、ドラゴンボールを使えば死人を何人でも蘇生させることが可能」というこれまでの設定との矛盾が生じている(「ピッコロ大魔王編」で神龍を殺したピッコロ大魔王を倒した後、死者を生き返らせるべく神龍を復活させようと天界に来た孫悟空に創造主の神様が初めて会った際、「自分は死者を生き返らせることはできないが、ドラゴンボールでなら生き返らせることができる」という旨の発言をしている)。
映画[編集]
- 『プレデター』シリーズ
- プレデターとは、同作品シリーズに登場する宇宙人(ただし少なくとも映画版でそう呼ばれた事は無く、便宜上の名称である)。1987年に公開されたシリーズ第1作におけるプレデターは、圧倒的な身体能力と武装をもって殺戮を繰り返す正体不明の存在として描かれていた。しかしその後公開された続編シリーズでは、彼ら曰く「狩り」の獲物を捜し求めて巨大な宇宙船で様々な惑星を渡り歩き、残忍な狩猟者である一方で騎士道にも似た価値観を持つ戦士という設定が与えられている。これはプレデターのオリジナルであるブーバの設定を組み込んだ為という見解がある。
- スピンオフ作品『エイリアンVSプレデター』では人類と共闘する姿が描かれており、言葉は通じないながらも意思の疎通を図るなど擬人化が進められた。
テレビドラマ[編集]
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小説[編集]
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ゲーム[編集]
- 『R-TYPE』シリーズ
- シリーズ最終作にあたる『R-TYPE FINAL』の発表に伴い、同シリーズ全般に登場する異層次元戦闘機、R-9の設定などに大幅な追加事項がある。
- 『グラディウス』シリーズ
- 架空の戦闘機、ビックバイパーとその系列機体についての詳しい設定が2004年に発売された『グラディウスV』の初回生産版特典として付属していた冊子『ビックバイパー開発史』に掲載されているが、初代作品発売から20年近くが経過しており、同作リリースのために作られた後付け設定とされている。