「ブラヴォー」の版間の差分

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(関連項目: [http://yaplog.jp/u-sugu/archive/368 世の中って不公平だな])
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*[[クラック (オペラ)]]
 
*[[クラック (オペラ)]]
*[[大向う]]:[[歌舞伎]]における客席からの掛け声
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*[[大向う]]:[[歌舞伎]]における客席からの掛け声(関連リンク:[http://yaplog.jp/u-sugu/archive/368 世の中って不公平だな])
  
 
== 参考文献 ==
 
== 参考文献 ==

2016年7月2日 (土) 16:47時点における版

ブラヴォー」とは、観客・聴衆などが賞賛の意を込めて発せられる感嘆詞である。そもそもイタリア語形容詞 "bravo" からの外来語であるが、現在の日本における使用法はイタリア語から直接入ってきたものではなく、それが一旦フランス語に入って転意したものが日本語に取り込まれたという経緯が認められる。日本においては、日常生活の中で使用される機会は稀な語で、幾分改まった文化的な場所・時の中で扱われる語である。 真に感動した場面において外国語を発語することは一般的に困難であり、「ブラヴォー!」を発する日本の聴衆は演奏開始前から待ち構えていることが通常である。特に「フライング・ブラヴォー」と呼ばれる演奏後の余韻をかき消す早めの発声は、真に音楽を愛する者にとっては迷惑と感じ、騒音でしかないとも言える。

外来語としての伝播で発生した意味の変化

イタリア語における "bravo" は、英語の "good" に該当する語として広く使用される日常的な形容詞であるため、その意味は非常に広い。「良い」、「素晴らしい」、「偉大である」、「立派である」、「優秀である」、「腕のよい」、「賢い」、「勇敢な」など非常に広義の語であるため、その場によって意味を限定することが困難なことも多い。それがフランス語に輸入され、「いいぞ」、「うまい」、「しめた」など特別な意の感嘆詞になったが、それはまた、「喝采」、「歓呼」などの意の名詞としても定着したことから、フランス語においては、イタリア語における一般的な形容詞から喝采の意に限定されたことが理解される。

発音の問題

語尾のより正確な片仮名表記として「ブラヴォー」の表記が浸透しているが、簡易的には「ブラボー」の表記が旧来からなじんでもいる。イタリア語風に強調して伸ばされた発音の際には「ブラーヴォ」・「ブラーボ」と発せられるが、日本人の語感によって「ブラヴォー」・「ブラボー」と発せられることは現在においても混在している。後者のアクセントはフランス語風のものでもあるため、あながち誤りでもない。また、"r"を巻き舌によって発音されることも、両言語において時に認められるものである。

語形変化

日本においては日本語人称変化や性・数変化の意識が希薄な言語であるため、一般にはどのような場合でも "Bravo" のままの形で使用されるが、特にクラシック音楽などの場においては、声をかける対象によってイタリア語の語形変化を厳密に使い分けしている層が比較的多い。イタリア語における人称変化は以下のようになる。参照:イタリア語の文法#形容詞("-o"で終わる形容詞に該当)

人称 単数 複数
男性形 bravo [ブラーヴォ] bravi [ブラーヴィ]
女性形 brava [ブラーヴァ] brave [ブラーヴェ]
  • 男女混合の複数が対象の場合には、男性形複数を使用する原則が適用され、bravi となる。brave が使用されるのは、相手が女性のみの複数の場合に限られるため、使用頻度は一番低いものとなる。


日本における留意点――マナーと誤解そしてその実際

日本において、相手がどうあろうと一律 "bravo" の形のままで使用することは、日本語における言語文化に鑑み、それは大いに受け入れるべき事態である。また、これをフランス語として強い信念で使用するならば、感嘆詞であるため語形変化はなされなくともよい。しかしながら実際のところ、"bravo" をイタリア語の語形変化に従わず誤って使用することに対して、一部では批判的・軽蔑的な傾向も認められなくもない。日本国内の場においてそれは特に、例えば、日本人のアーティストを相手に発せられた際よりも、外国人アーティストに向けられた際により大きく生じることとなる。

女性に対して男性形で "bravo" と叫ぶには、少々失礼が生じないとも言い切れない。マナー上の配慮として、相手が外国人の場合には、イタリア語として厳密に語形変化を選んだ方がより好ましいと言える。

また例えば、男女混合の中で特に1人の女性のみに声を向けて賞賛したつもりでも、そこで "bravo" と発してしまうと、その中の1人の男性のみに向けられた賞賛の声になってしまい、せっかくの喝采も、残念ながら意図した本人に気持ちが伝わらないことになりかねない。そういう不本意な誤解を防ぐという目的においても、語形変化はイタリア語に則って正確に選ぶに越したことはないと言える。但し、目の前にいる複数のうち、唯1人のみに喝采を送りたいという特別の意図がある場合などには、複数の人間を前にしてあえて単数形で発することも理に適った使用と言える。詳しくは、下記の例を参照。


関連項目

参考文献

  • 『伊和中辞典』(小学館)
  • 『プチ・ロワイヤル仏和辞典』(旺文社)


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