「技術士」の版間の差分
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2014年10月12日 (日) 10:09時点における版
技術士(ぎじゅつし、Professional Engineer)は、技術士法(昭和58年4月27日法律第25号)に基づく日本の国家資格である。有資格者は技術士の称号を使用して、登録した技術部門の技術業務を行える。
技術士補(ぎじゅつしほ、Associate Professional Engineer)は、将来技術士となる人材の育成を目的とする、技術士法に基づく日本の国家資格である。有資格者は技術士の指導の下で、技術士補の称号を使用して、技術士を補佐する技術業務を行える。
なお、台湾の技術士については、#台湾の技術士を参照。
技術士とは
技術士法第2条は、技術士を次のように定義している。
- 「技術士」とは、第32条第1項の登録を受け、技術士の名称を用いて、科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価またはこれらに関する指導の業務を行う者(他の法律においてその業務を行うことが制限されている業務を除く。)をいう。
- 「技術士補」とは、技術士となるのに必要な技能を修習するため、第32条第2項の登録を受け、技術士補の名称を用いて、前項に規定する業務について技術士を補助する者を言う。
このように、技術士とは 「高等の専門的応用能力」を備えた技術者であると規定されている。では「高等の専門的応用能力」とは、具体的には一体どのような能力のことであるか。受験対策書や受験対策講座などでは「これまで習得した知識や経験等に基づき、対処すべき課題に合わせて正しく問題を認識し、必要な分析を行い、判断し、対応策の企画立案等を実施できる能力」[1]「的確に問題点を把握して、創意工夫により解決を図る能力」[2]などと説明されている。実際、技術士試験では、技術上の問題を発見し、それを解決できるかどうかを問う出題がされている[3]。
「技術上の問題を発見し、それを解決する業務」とは、すなわち技術コンサルタントの業務である。技術コンサルタントと名乗って仕事をするかどうかは別として、技術士とは技術コンサルタントの能力があることを国が認定した技術者であると言える。
一方、技術士は業務独占資格ではない。例えば建築の設計や医療行為などは他の資格の独占業務であるから、これを行うことはできない[4]。技術コンサルタントという仕事も技術士の独占業務ではなく、誰でも技術コンサルタントの仕事を行うことはできる。しかし技術士は、国家試験によって一定レベルの問題解決能力を認証されており、また技術士法第45条および59条により秘密保持義務を課されているから、無資格の技術コンサルタントよりも顧客の信用を得やすいと考えられる。
大学院の受験資格
学士を持たない社会人研究者が、技術研究で大学院を受験するとき、受験資格審査に有効な資格である。例えば、国立大学大学院では、技術士第一次試験合格者・技術士第二次試験合格者の、学士を持たない社会人研究者を審査後、受験を許可したりしている。合格・修了後は修士・学士の両方が学位授与機構から交付される。
技術士登録
技術士は登録技術者(レジスタード・エンジニア)制度なので、試験に合格しただけでは技術士ではない。所轄官庁である文部科学省へ登録免許税と登録手数料を添えて以下の事項を登録することで、技術士の権利と義務が発生する。(技術士法32条)
- 氏名
- 生年月日
- 事務所の名称及び所在地
企業等に勤務している者は、基本的に勤務先を事務所とする[5] - 試験に合格した技術部門および選択科目
- 技術士補の場合は指導技術士の氏名、事務所の名称および所在地など
技術士の義務に違反すると、技術士登録を取り消されることがある。(技術士法第36条)
名称独占
技術士法第57条は、技術士の名称独占を定め、以下の行為を禁じている。
- 技術士(補)登録をしていない者や登録を取り消された者が技術士(補)を名乗ること
- 技術士(補)登録をした者が、登録したものとは異なる技術部門について技術士(補)を名乗ること
ただし、1950年(昭和25年)に電波法に基づき制定された無線技術士(1990年(平成2年)より陸上無線技術士)は、技術士とは異なる国家資格であるが、技術士に先行する国家資格であるため、名称独占の例外であるとみなされている。
なお、技術士の英文名称は「Professional Engineer」、技術士補の英文名称は「Associate Professional Engineer」とされているが、技術コンサルタントを職業とする者が広告、名刺などにおいて、コンサルティングエンジニア(「Consulting Engineer」, 「CE」)を名乗ることに問題はないものとされる[6]。
また、他の多くの国家資格と同様に、名称を独占的に使用可能である範囲は日本国内のみに限定される。 例えば、アメリカ合衆国においては州法に基づく資格としてProfessional Engineerが制定されているため、日本の技術士が現地において許可を得ないままProfessional Engineerとして業務を行った場合には州法に依る処罰の対象となる[7]。なお、Professional Engineerは州法に基づく資格であるため、登録に要する基準は各州毎に異なっており、ある州に登録をしたProfessional Engineerであっても、それ以外の州で業務を行った場合には処罰の対象となる。
技術士の業務
法律上は技術士の業務が「計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務」と広く定義されているが、建築基準法では建築・建築設備に関する設計等は建築士の独占業務となっておりこれに関して技術士は行なえないなど実際に技術士に期待されている役割は「指導の業務」すなわち技術コンサルタント(コンサルティング・エンジニア)としての活躍である。技術士試験も実務者に必要な技術力ではなく、技術コンサルタントに必要な論理的思考力・問題解決能力・表現能力をみる内容となっている。
技術士全体の84%が一般企業やコンサルティング会社に勤務し、約8%が官公庁に勤務しているほか、約8%は技術士事務所を開業して独立技術コンサルタントとなり、以下のような業務に従事している。[8]
- 公共事業の事前調査・計画・設計監理
- 地方公共団体の業務監査のための技術調査・評価
- 裁判所、損保機関等の技術調査・鑑定
- 地方自治体が推進する中小企業向け技術相談等への協力
- 中小企業を中心とする企業に対する技術指導、技術調査・研究、技術評価等
- 大企業の先端技術に関する相談
- 開発途上国への技術指導
- 銀行の融資対象等の技術調査・評価
技術士の権利と義務
技術士登録をすると、技術士の名称を使用する権利を得る反面、以下の義務を負う。これらの義務に違反すると、技術士法 第36条の2の規定により、技術士登録を取り消されることがある。
- 技術士法 第44条 (信用失墜行為の禁止)
- 技術士又は技術士補は、技術士若しくは技術士補の信用を傷つけ、又は技術士及び技術士補全体の不名誉となるような行為をしてはならない。
- 技術士法 第45条 (技術士等の秘密保持義務)
- 技術士又は技術士補は、正当の理由がなく、その業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。技術士又は技術士補でなくなった後においても、同様とする。
- 技術士法 第45条の2 (技術士等の公益確保の責務)
- 技術士又は技術士補は、その業務を行うに当たっては、公共の安全、環境の保全その他の公益を害することのないよう努めなければならない。
- 技術士法 第46条 (技術士の名称表示の場合の義務)
- 技術士は、その業務に関して技術士の名称を表示するときは、その登録を受けた技術部門を明示してするものとし、登録を受けていない技術部門を表示してはならない。
- 技術士法 第47条の2 (技術士の資質向上の責務)
- 技術士は、常に、その業務に関して有する知識及び技能の水準を向上させ、その他その資質の向上を図るよう努めなければならない。
秘密保持義務には刑事罰も規定されている。
- 技術士法 第59条(秘密保持義務に違反した場合の罰則)
- 第45条の規定に違反した者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
- 技術士法 第59条の2(親告罪)
- 前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
非技術士の技術コンサルタントが秘密を漏洩しても民事責任を問われるのみだが、技術士は技術士登録を取り消されるだけでなく刑事罰にも処せられる可能性がある。
技術士の技術部門
他の技術系資格が専門分野ごとに制度を設けているのに対して、技術士は科学技術の全領域に渡る分野をカバーしている。現在、以下の21の技術部門が設けられており、各部門はそれぞれ部会を作り活動している。船舶・海洋部門と航空・宇宙部門は同一の部会として活動しており、総合技術監理部門では部会が設立されていないことから、19の部会がある。 なお、技術部門の区分について、海外の技術資格である米国のPEや英国のCEと日本の技術士では相違が見られる。
- 機械部門
- 船舶・海洋部門
- 航空・宇宙部門
- 電気電子部門
- 化学部門
- 繊維部門
- 金属部門
- 資源工学部門
- 建設部門
- 上下水道部門
- 衛生工学部門
- 農業部門
- 森林部門
- 水産部門
- 経営工学部門
- 情報工学部門
- 応用理学部門
- 生物工学部門
- 環境部門
- 原子力・放射線部門
- 総合技術監理部門
技術士試験
技術士試験は、技術士法の指定試験機関である日本技術士会が実施している。試験の内容はおおむね毎年同じだが、2007年(平成19年)度のように大規模な制度変更を行う年度もある。 この記事の内容は最新の状態に保たれているとは限らないので、受験を志す者は必ず日本技術士会技術士試験センターのウェブサイトで最新の情報を入手すること。
試験の特徴
- 長い実務経験を要する
- 二次試験の受験には、原則として7年(総合技術監理部門は10年)の実務経験が必要である。
- ただし、4年以上の実務経験を有する技術士補の資格を有している者、もしくは監督者の下での4年を超える実務経験がある者も受けられる。また、大学院で学んでいた場合には最大で2年までその実務経験に算入することができる。つまり、条件を満たせば最短2年の実務経験で資格を取得することは可能である。
- 実務経験には第三者の証明が必要
- 実務経験の申告には所属する企業等の証明(代表取締役印など)が必要である。(すでに他の部門の技術士である者は自己証明でよい)
- 論述式試験を重視
- 制度変更で一次試験は択一式のみになり、二次試験も記述量を削減したが、依然として論述式試験の重要度は高く、二次の筆記試験は総合技術監理部門の必須科目をのぞき、すべて論述式である。
- 科目免除がほとんどない
- JABEE認定による一次試験の免除、総合技術監理部門の選択科目を除き、他の国家資格や学歴を有していても科目免除されない。
- 科目合格がない
- 筆記試験に合格したが口頭試験に不合格したという場合でも、翌年の筆記試験は免除されず、はじめから再受験しなければならない。
- 受験申込書も審査対象
- 受験申込書に添付する業務経歴書は、後日口頭試験で使用される答案の一部である。技術的な問題解決を主体的に行って来た経歴を有しているか、また技術的体験論文と照合して矛盾がないか(他人の業績や会社の業績を書いていないか)を審査する。
スケジュール
例年、おおむね以下のようなスケジュールで実施されている。[9]。第一次試験の出願から第二次試験の合格まで、最短でも2年近くかかることになる。
第一次試験 | 第二次試験 | 会場 | |
---|---|---|---|
出願 | 6月上旬~7月上旬 | 4月上旬~5月上旬 | |
筆記試験 | 10月中旬 | 8月第1週 | 北海道, 宮城県, 東京都, 神奈川県, 新潟県, 石川県, 愛知県, 大阪府, 広島県, 香川県, 福岡県, 沖縄県 |
技術的体験論文の提出 | 10月下旬~11月中旬 | ||
口頭試験 | 12月上旬~翌年1月下旬 | 東京都 | |
合格発表 | 12月下旬 | 翌年3月上旬 |
第一次試験
第一次試験には受験資格はなく、誰もが受験できる。 史上最年少での技術士第1次試験の合格者としては8歳の千代田区の小学3年生の男の子がその記録を持っている。(H26.1.8朝日新聞東京版朝刊28Pに記載) 第一次試験に合格すると、技術士補登録をする資格が得られる。つまり第一次試験は技術士補試験を兼ねている。技術士会では第一次試験合格者を「修習技術者」と呼んでいる。
第一次試験の試験科目は以下の通り。[10]
試験時間 | 配点 | 試験方式 | ||
---|---|---|---|---|
適性科目 | 技術士法第四章の規定の遵守に関する適性 | 1時間 | 15点 | 択一式 |
基礎科目 | 科学技術全般にわたる基礎知識 | 1時間 | 15点 | |
専門科目 | 当該技術部門に係る基礎知識及び専門知識 | 2時間 | 50点 |
大学や高専などの教育機関の、日本技術者教育認定機構 (JABEE) が認定した教育課程を修了した者は、第一次試験の合格者と同等(つまり修習技術者)であるとみなされる。
第一次試験の合格率は、2013年(平成25年)度の実績で37.1%[11]である。
第二次試験
第二次試験に合格すると、技術士登録をする資格が得られる。
第二次試験を受験するには、修習技術者(技術士一次試験合格もしくはJABEE認定課程の修了)であることに加えて、次のいずれかの条件を満たすことが必要である。
- 技術士補として4年間(総合技術監理部門は7年間)以上、技術士を補助する業務に就いた
- 第一次試験に合格してから4年間(総合技術監理部門は7年間)以上、監督者の下で「科学技術に関する専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、評価又はこれらに関する指導の業務」に就いた
- 7年間(総合技術監理部門は10年間)以上「科学技術に関する専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、評価又はこれらに関する指導の業務」に就いた
理工系の大学院を修了している場合、その期間のうち最大2年を、上記の業務期間から減じられる。つまり理工系の大学院を修了した者が技術士補登録をすれば、最短2年の実務経験で受験が可能になる。
一次試験と二次試験の技術部門は異なっていてもよい。例えば一次試験は電気電子部門で受験して、二次試験は情報工学部門で受験してもかまわない。
総合技術監理部門の選択科目は、他の技術部門の選択科目および必須科目に該当する[12]。すなわち、総合技術監理部門の受験には次の特徴がある。
- 総合技術監理部門で選択科目を受験することは、総合技術監理部門と他の部門を併願受験することにほかならない。ただしこの場合も科目合格はない。すなわち総合技術監理部門と他の部門を両方とも合格するか、両方とも不合格になるかのどちらかである。
- 総合技術監理部門以外の部門の第二次試験に合格している者が、総合技術監理部門を受験する場合は、合格した部門に相当する選択科目が免除される。すなわち必須科目のみ受験すればよい。
筆記試験
受験申込書に記入した「技術部門」「選択科目」「専門とする事項」に従って、以下の設問に[13]解答する。
- 総合技術監理部門以外の技術部門
科目 | 出題内容 | 試験方法 | 試験時間 | 配点 |
---|---|---|---|---|
選択科目 | 「選択科目」に関する専門知識と応用能力 | 記述式(600字詰用紙6枚) | 2時間30分 | 50点 |
必須科目 | 「技術部門」全般にわたる論理的考察力と課題解決能力 | 記述式(600字詰用紙3枚) | 3時間30分 | 50点 |
- 総合技術監理部門
科目 | 出題内容 | 試験方法 | 試験時間 | 配点 |
---|---|---|---|---|
選択科目 | 選択した技術部門に対応する「選択科目」に関する専門知識と応用能力 | 記述式(600字詰用紙6枚) | 2時間30分 | 50点 |
選択した「技術部門」全般にわたる論理的考察力と課題解決能力 | 記述式(600字詰用紙3枚) | 3時間30分 | 50点 | |
必須科目 | 「総合技術監理部門」に関する課題解決能力及び応用能力 | 択一式 | 2時間 | 50点 |
「技術部門」全般にわたる論理的考察力と課題解決能力 | 記述式(600字詰用紙5枚) | 3時間30分 | 50点 |
技術的体験論文
筆記試験合格者は、図表等を含め3000字以内でA4用紙2枚の技術的体験論文を作成し、所定の期日までに提出する。2006年(平成18年)度までは各部門で異なる出題がされていたが、平成19年度以降は以下の出題に統一された。[14]
- 総合技術監理部門以外の部門
- あなたが受験申込書に記入した「専門とする事項」について実際に行った業務のうち、受験した技術部門の技術士にふさわしいと思われるものを2例挙げ、それぞれについてその概要を記述せよ。さらに、そのうちから1例を選び、以下の事項について記述せよ。
- (1)あなたの立場と役割
- (2)業務を進める上での課題及び問題点
- (3)あなたが行った技術的提案
- (4)技術的成果
- (5)現時点での技術的評価及び今後の展望
- 総合技術監理部門
- あなたが受験申込書に記入した「専門とする事項」について実際に行った業務のうち、総合技術監理部門の技術士にふさわしいと思われるものを2例挙げ、それぞれについてその概要を記述せよ。さらに、そのうちから1例を選び、以下の事項について記述せよ。
- (1)あなたの立場と役割
- (2)業務を進める上での課題及び問題点
- (3)あなたが行ったもしくは行うべきだったと考えている総合技術監理の視点からの提案
- (4)総合技術監理の視点からみた提案の成果
- (5)総合技術監理の視点から見て今後の改善が必要と思われること
口頭試験
技術的体験論文を提出した者だけが口頭試験を受験できる。[15]
口頭試験は、筆記試験の答案、技術的体験論文、および受験申込書に添付した業務経歴書を使用して実施される。口頭試験の試問事項及び試問時間は次の通りである。
- 総合技術監理部門以外の技術部門
試問事項 | 配点 | 試験時間 |
---|---|---|
受験者の技術的体験を中心とする経歴の内容と応用能力 | 40点 | 45分 |
必須科目及び選択科目に関する技術士として必要な専門知識及び見識 | 40点 | |
技術士としての適格性及び一般的知識 | 20点 |
- 総合技術監理部門
試問事項 | 配点 | 試験時間 | |
---|---|---|---|
選択科目に対応 | 受験者の技術的体験を中心とする経歴の内容と応用能力 | 40点 | 45分 |
選択した技術部門の必須科目及び選択科目に関する技術士として必要な専門知識及び見識 | 40点 | ||
技術士としての適格性及び一般的知識 | 20点 | ||
必須科目に対応 | 受験者の技術的体験を中心とする経歴の内容と応用能力 | 40点 | 30分 |
必須科目に関する技術士として必要な専門知識及び見識 | 40点 | ||
技術士としての適格性及び一般的知識 | 20点 |
平成18年度以前の制度との比較
近年では2001年(平成13年)度と2007年(平成19年)度に大きな制度変更が行われている。
2000年(平成12年)度までの技術士二次試験の出題形式は概ね以下のようであった。
科目 | 出題内容 | 試験方法 | 試験時間 |
---|---|---|---|
選択科目 | 「専門とする事項」に関連した技術的体験と専門知識ならびに応用能力 | 記述式(800字詰用紙5枚) | 3時間 |
「選択科目」に関する一般的専門知識 | 記述式(800字詰用紙10枚) | 4時間 | |
必須科目 | 「技術部門」全般にわたる一般的専門知識 |
全体の記述量は12000字にもおよび、「論文のトライアスロン」[16]と言われるほどであったが、2001年(平成13年)度から論文の記述量が削減され、また総合技術監理部門が新設されて、以下のようになった。(総合技術監理部門については省略)
科目 | 出題内容 | 試験方法 | 試験時間 | 配点 |
---|---|---|---|---|
選択科目 | 「専門とする事項」に関する専門知識の深さ、技術的体験及び応用能力 | 記述式(600字詰用紙6枚) | 3時間 | 40点 |
「選択科目」に関する一般的専門知識 | 記述式(600字詰用紙6枚) | 4時間 | 50点 | |
必須科目 | 「技術部門」全般にわたる一般的専門知識 | 五肢択一式 | 15点 | |
記述式(600字詰用紙3枚) | 15点 |
これには次のような批判があった[17]。
- 技術的体験に関する試問は、事前に作成した論文を丸暗記して試験当日に吐き出すという、暗記力・速記力を問う試験となっている。また他人の論文の丸暗記でも合格できる要出典という見方もあった
- 五肢択一式試験で問うている専門知識は、論述式試験でも問えるし、一次試験と重複している。
そのため、2007年(平成19年)度より以下のように改正された。
- 技術的体験に関する試問は、事前に論文を提出させて口頭試験で試問する方式に改める
- 五肢択一式試験は廃止する
- 記述式試験は、専門知識を問うだけでなく、論理的思考力や問題解決能力を問うものに改める
- 口頭試験での試問事項が増えるため、口頭試験の試験時間を30分から45分に延長する
この制度改革により、試験結果には次のような変化が現れた。[18]
- 受験者が増加した。
- 筆記試験の合格率が上がった。平成18年度の総合技術監理部門を除く平均で17%であったが、平成19年度では19%まで上がっている[19]。
- 口頭試験での合格率が下がった。平成18年度以前の口頭試験は9割以上が合格していたが、平成20年度では全部門平均で8割、部門によっては6割まで低下した。
- 最終的な合格者数は増加したが、合格率はあまり変わっていない
このことから、改正前の試験と比べて受けやすくはなったが、易しくはなっていないと言える。
合格率等
以下、2008年(平成20年)度の実績[20]に基づいて記述する。
二次試験の合格率は年度や部門、部門内の選択科目によって異なる。実際に受験した26,423人のうち、4,967人(18.8%)が筆記試験に合格し、4,143人(15.7%)が口頭試験に合格している。総合技術監理部門は、他部門で合格した者が受験することが多かったので、かつては他の部門よりも合格率が高かったが、現在では他部門の平均と変わらなくなっている。
なお、技術士第二次試験の合格者の平均年齢は41.8歳であるが、合格率が最も高いのは30代の受験者であるので、30代で合格できる試験にするという制度改革の主旨は達成されたと言える。 尚、史上最年少の技術士第二次試験の合格者は26歳である。
資格への評価
- 建設業界での評価
- 企業での評価
- 収入面での評価
- 「年収ラボ」の調査によると、資格別年収ランキングにて技術士は第10位[26]である。
- 公的な評価
- 労働基準法第14条2の規定に基づき厚生労働大臣が定める「高度の専門的知識等」の基準を満たす資格の一つとされている[27]。
- 二次試験合格者は、弁理士・中小企業診断士・気象予報士・施工管理技士・消防設備士・労働安全コンサルタント・労働衛生コンサルタントなどの試験の一部科目などが免除される[28]。(対象技術部門を限定しているものや、技術士登録を必要とするものもある)
- 技術士の特典例
(技術士が有資格者として認められているもの)
- 厚生労働省 - 労働災害防止のため建設工事などの計画に参画させる者 - 労働安全衛生法(第88条第5項、労働安全衛生規則第2条の3、労働安全衛生規則別表第9) - 技術士建設部門第二次試験合格者
- 厚生労働省 - 労働契約の特例(専門的知識等を有する労働者) - 労働基準法(第14条第1項第1号、第14条第1項第1号の規定)に基づき厚生労働大臣が定める規準(H10.10.22労働省告示第356号)ニ ル - 技術士・全技術部門
- 中小企業庁・中小企業基盤整備機構 - 中小企業・ベンチャー総合支援事業派遣専門家として登録される専門家 - 中小企業支援法(第11条第1項第2号、中小企業支援事業の実施に関する規準を定める省令-S38.10.19通商産業省令第123号) - 技術士・全技術部門
- 農林水産省 - 土地改良事業の審査のため農林水産省等が委嘱する専門技術者 - 土地改良法に基づく専門技術者委嘱の要領について(S40農地B第4184号), 第2・1土地改良専門技術者育成対策の実施について(S59横改C第690号)第2・2 - 技術士農業部門第二次試験合格者(農業土木、農村地域計画)
- 水産庁 - 漁港漁場関係工事施工環境監理者の資格 - 漁港漁場工事等施工環境監理者配置要領・漁港漁場工事等施工環境監理者配置要領の制定について(平成15年2月12日14水港第2845号) - 技術士若しくは技術士補で部門は水産部門(水産土木)
- 林野庁 - 治山・林道事業現場技術業務委託実施要領別表に定める技術者(民有林) - 治山・林道事業現場技術業務委託実施要領(S54林野治第2015号)第4・2項 別表 - 技術士森林部門(森林土木)
- 林野庁 - 治山・林道事業に係る調査・測量・設計等を外注する場合の取扱要領に定める技術者(国有林) - 治山・林道事業に係る調査・測量・設計等を外注する場合の取扱要領(H7林野治第1078号)第3・1 別表 - 技術士森林部門(森林土木)
- 文部科学省 - 原子力施設溶接検査員 - 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(原子炉等規制法)に基づく - 機械、船舶、電気・電子、金属の各部門で第二次試験合格者で一定の実務経験を有する者
- 文部科学省 - 廃棄確認員 - 原子炉等規制法に基づく - 全部門の第一次試験・第二次試験合格者で一定の実務経験を有する者
- 国土交通省・環境省 - 公共下水道又は流域下水道の維持管理を行う者 - 下水道法(第22条第1項、第2項 下水道法施行令第15条第8号、第15条の3第8号下水道法施行令第15条第8号の建設大臣が定める技術部門及び選択科目-S46.10.9建設省告示第1706号、下水道法施行令第15条の3第8号の国土交通大臣及び環境大臣が定める技術部門及び選択科目-S46.10.9厚生省・建設省告示第2号) - 技術士上下水道部門(下水道)、技術士衛生工学部門(水質管理、廃棄物管理(汚物処理を含む))の第二次試験合格者
- 国土交通省 - 公共下水道又は流域下水道の設計又は工事の監督管理を行う者 - 下水道法(第22条第1項、下水道法施行令第15条第8号) - 上下水道部門第二次試験合格者
- 国土交通省 - 一般建設業の営業所専任技術者又は主任技術者 - 建設業法(第7条第2号ハ、第26条及び第26条の2、建設業法施行規則第7条の3第2号及び第3号、(Hl7.12.16国土交通省告示第1424号) - 次の部門第二次試験合格者,機械部門、電気電子部門、建設部門、上下水道部門、衛生工学部門、農業部門(農業土木)、森林部門(林業・森林土木)、水産部門(水産土木)、前記のものを選択科目とする総合技術監理部門
- 国土交通省 - 設計管理者(鉄道土木、鉄道電気、車両) - 鉄道事業法(第14条第1項、鉄道事業法施行規則第24条の2第1号ロの表(1)の項下欄C、第26条第2項設計管理者の要件に係る技術部門を定める告示-H12.3.1運輸省告示48号) - 技術士建設部門、技術士機械部門、技術士電気電子部門第二次試験合格者
- 国土交通省 - 特定建設業の営業所専任技術者又は監理技術者 - 建設業法(第15条第2号イ、第26条及び第26条の2、建設業法施行規則第7条の3第2号及び第3号-Hl7.12.16国土交通省告示第1424号) - 次の部門第二次試験合格者,機械部門、電気電子部門、建設部門、上下水道部門、衛生工学部門、農業部門(農業土木)、森林部門(林業・森林土木)、水産部門(水産土木)、前記のものを選択科目とする総合技術監理部門
- 国土交通省 - 建設コンサルタントとして国土交通省に部門登録をする場合の専任技術管理者 - 公共事業の前払金保証事案に関する法律(第3条、第4条及び第19条第3号)および建設コンサルタント登録規程(S52.4.15建設省告示第717号)第3条第1号ロ 別表 - 技術士機械部門(機械設計、材料力学、機械力学・制御、動力エネルギー、熱工学、流体工学、交通・物流機械及び建設機械、ロボット又は情報・精密機器)、電気電子部門、建設部門、上下水道部門(上水道及び工業用水道、下水道)、衛生工学部門(廃棄物管理)、農業部門(農業土木)、森林部門(森林土木)、水産部門(水産土木)、応用理学部門(地質)、前記のものを選択科目とする総合技術監理部門
- 国土交通省 - 地質調査業者として国土交通省に登録する場合の技術管理者 - 地質調査業登録規程(S52.4.15建設省告示第718号)第3条第1号ハ - 技術士建設部門(土質及び基礎)、技術士応用理学部門(地質)、前記のものを選択科目とする総合技術監理部門
- 国土交通省 - 都市計画における開発許可制度にもとづく開発許可申請する場合の設計者の資格 - 都市計画法(第31条及び都市計画法施行規則第19条第1号ホ, 国土交通大臣が定める部門(S45.1.12建設省告示第39号) - 建設部門、上下水道部門、衛生工学部門第二次試験合格者で宅地開発に関する技術に関して二年以上の実務経験者
- 国土交通省 - 宅地造成工事の技術的規準(擁壁、排水施設)の設計者 - 宅地造成等規制法(第9条第2項、宅地造成等規制法施行令第18条第5号・第18条第1号から第4号までに掲げる者と同等以上の知識及び経験を有する者-S37.3.29建設省告示第1005号) - 建設部門第二次試験合格者
- 国土交通省他 - 建設コンサルタント委託業務等の管理技術者と照査技術者 - 建設コンサルタント業務等の管理技術者等要件 - 建設コンサルタントとして国土交通省に部門登録をする場合の専任技術管理者と共通で、法による登録を受けている者
- 環境省 - 汚染土壌処理業における汚染土壌の処理の事業を行うに足りる技術的能力を説明する書類で示す、汚染土壌処理施設の維持管理及び汚染土壌の処理を的確に行うに足りる知識及び技能を有する者 - 土壌汚染対策法の一部を改正する法律(平成21年法律第23号)第22条、汚染土壌処理業の許可の申請の手続等に関する省令第2条第2項第8号,省令第4条第2号 平成22 年2 月26日付け環水大土発第100226001 号環境省水・大気環境局土壌環境課長通知) - 大気の汚染に係る公害の防止に必要な知識は衛生工学部門(大気管理)第二次試験合格者、水質の汚濁に係る公害の防止に必要な知識は衛生工学部門(水質管理)第二次試験合格者
(技術士が資格試験の一部あるいは全部を免除されているもの)
- 総務省 - 消防設備士(甲種・乙種, 消防法) - 筆記試験一部免除 - 機械部門、電気電子部門、化学部門、衛生工学部門の第二次試験合格者
- 総務省 - 消防設備士(甲種・乙種, 消防法) - 甲種受講資格を認定 - 第二次試験合格者,全技術部門
- 総務省 - 消防設備点検資格者(特種・第1種・第2種, 消防法) - 受講資格を認定 - 機械部門、電気電子部門、化学部門、上下水道部門、衛生工学部門の第二次試験合格者
- 厚生労働省 - 建築物環境衛生管理技術者(建築物における衛生的環境の確保に関する法律(ビル管理法) - 受講資格を認定 - 技術士機械部門、電気電子部門、上下水道部門、衛生工学部門
- 厚生労働省 - 労働安全コンサルタント(労働安全衛生法) - 筆記試験一部免除 - 以下の第二次試験合格者,機械部門、船舶・海洋部門、航空・宇宙部門、電気電子部門、化学部門、金属部門、資源工学部門、建設部門、農業部門(農芸化学、農業土木)、森林部門(森林土木)、経営工学部門(生産マネジメント)
- 厚生労働省 - 労働安全コンサルタント(労働安全衛生法) - 受講資格を認定 - 第二次試験合格者,全技術部門
- 厚生労働省 - 労働衛生コンサルタント(労働安全衛生法) - 筆記試験一部免除 - 衛生工学部門第二次試験合格者
- 厚生労働省 - 労働衛生コンサルタント(労働安全衛生法) - 受講資格を認定 - 全技術部門第二次試験合格者
- 厚生労働省 - 作業環境測定士(第1種・第2種、作業環境測定法) - 筆記試験一部免除 - 技術士化学部門、技術士金属部門、衛生工学部門、技術士応用理学部門
- 厚生労働省 - 作業環境測定士(第1種・第2種、作業環境測定法) - 受講資格を認定 - 第二次試験合格者の全技術部門
- 経済産業省原子力安全・保安院 - ボイラー・タービン主任技術者(第1種・第2種, 電気事業法) - 申請資格の一部として認定 - 機械部門第二次試験合格者
- 経済産業省 - 中小企業診断士(中小企業支援法, 中小企業診断士の登録及び試験に関する規則) - 第一次試験一部免除 - 情報工学部門第二次試験合格者
- 特許庁 - 弁理士(弁理士法) - 論文試験選択科目免除 - 技術士・全技術部門
- 国土交通省 - 気象予報士(気象業務法) - 学科試験免除 - 技術士応用理学部門
- 国土交通省 - 土木施工管理技士(1級・2級, 建設業法)- 学科試験免除 - 建設部門第二次試験合格者、上下水道部門、農業部門(農業土木)、森林部門(森林土木)、水産部門(水産土木)、前記のものを選択科目とする総合技術監理部門
- 国土交通省 - 電気工事施工管理技士(1級・2級, 建設業法) - 学科試験免除 - 電気電子部門、建設部門の第二次試験合格者、前記のものを選択科目とする総合技術監理部門
- 国土交通省 - 管工事施工管理技士(1級・2級, 建設業法) - 学科試験免除 - 機械部門(流体工学、熱工学)、上下水道部門、衛生工学部門の各第二次試験合格者、前記のものを選択科目とする総合技術監理部門
- 国土交通省 - 造園施工管理技士(1級・2級, 建設業法) - 学科試験免除 - 建設部門、農業部門(農業土木)、森林部門(林業、森林土木)の各第二次試験合格者、前記のものを選択科目とする総合技術監理部門
- 国土交通省 - 土地区画整理士(土地区画整理法) - 学科試験免除 - 建設部門(都市及び地方計画)第二次試験合格者
- 国土交通省 - 設計アドバイザー(国土交通省公共事業コスト構造改革プログラム-平成15年3月において定められた具体的施策) - 選定の加算要素の一つとして認定 - 建設部門,または総合技術監理部門のうち建設部門関連科目の資格保有者
- 厚生労働省・環境省 - 廃棄物処理施設技術管理者(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)- 申請資格を認定 - 化学部門、上下水道部門、衛生工学部門の各第二次試験合格者
- 厚生労働省・環境省 - 廃棄物処理施設技術管理者(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)- 申請資格一部認定 - 第二次試験合格者,化学部門、上下水道部門、衛生工学部門以外の技術士
- 厚生労働省・環境省 - 環境カウンセラー (環境カウンセラー登録制度実施規定-環境庁告示) - 登録審査の加算要素の一つとして認定 - 技術士環境部門、衛生工学部門等環境関連部門
- 警視庁 - 警視庁特別捜査官科学捜査官,コンピュータ犯罪捜査官(4級職 警部補)採用 - 技術士電気電子部門の有資格者
- 財務省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省 - 特定工場における公害防止管理者(ばい煙発生施設、汚水等排出施設、騒音発生施設、振動発生施設, 特定工場における公害防止組織の整備に関する法律) - 受講資格を認定 - 技術士の機械部門(加工・ファクトリーオートメーション及び産業機械)、化学部門、金属部門(非鉄生産システム)、上下水道部門、衛生工学部門(水質管理)、農業部門(農芸化学)、応用理学部門(物理及び化学)
技術士の現状
特定技術分野への偏り
技術士制度は科学技術の全分野を網羅する制度であるが、実際の有資格者数の割合は建設部門が45%[29]を占めており、これに関連の深い上下水道部門や応用理学部門(地質)が続いている。この分野では建設コンサルタント登録の条件とされるなど、事実上の業務独占資格(必置資格)となっているためである。また官公庁の土木建設系の技官や、都道府県庁に所属する技師らが比較的多く資格取得する(建設部門では毎年の資格取得者割合は官と民が半々[30])。
認知度が低い
建設分野では高く認知されており「30代前半までに取得しないと技術者として会社に残ることは難しい」要出典とさえ言われている一方で、それ以外の技術分野、例えばソフトウェア開発の現場での認知度は低い。[31]
技術者資格相互承認
APECエンジニア
国境を越え、技術者の技術水準を国家間で相互に承認するための仕組みの一つとして、APECエンジニアが2000年11月1日に登録を開始した。政府間で交渉が済んでいる国との間でAPECエンジニアは同一の技術レベルを持つ技術者として認められる。APECエンジニア9分野で、日本では技術士がAPECエンジニアの登録要件となっており、Structuralのうち建築構造系の登録以外の事務局は日本技術士会内に設置されている。
Structuralのうち建築物に関する業務(建築物等の企画・計画から設計・施工・維持管理その他にいたるあらゆる局面での建築構造に関する業務を対象)関連の技術者の場合、建築基準法上の設計、工事監理は建築士でなければ行えないため、建築構造系の一級建築士である構造エンジニアが登録は技術士とは別となっており、財団法人建築技術教育普及センターが事務局を担当している。
申請の対象となる技術士技術部門及び選択科目と対応するAPEC エンジニアの分野は以下の通りとなった。
- Mechanical
- 技術士船舶・海洋部門(2‐1 船体、造船工作及び造船設備(旧船体、造船設備、造船工作及び造船設備)2‐2 舶用機械)
- 技術士航空・宇宙部門(3‐1 機体、3‐2 航行援助施設(原動機、装備、保安施設、航空機用原動機、航行援助施設)3‐3 宇宙環境利用
- 技術士繊維部門(6‐3 縫製(旧縫製品))
- 技術士金属部門(7‐1 鉄鋼生産システム(旧鉄冶金)と7‐2 非鉄生産システム(旧非鉄冶金)のうち機械系エンジニア、7‐3 金属材料、7‐4 表面技術(表面処理(旧金属防食を含む)、7‐5 金属加工)
- Chemical
- 技術士化学部門(5‐1 セラミックス及び無機化学製品(旧化学肥料、窯業、無機薬品、無機薬品及び肥料、セラミックス)5‐2 有機化学製品(旧有機合成品、有機化学製品)5‐3 燃料及び潤滑油(旧燃料)5‐4 高分子製品(旧繊維素加工、プラスティクス、プラスチックス)5‐5 化学装置及び設備(旧電気分解、電気化学)
- 技術士繊維部門(6‐1 紡糸、製糸、紡績及び製布(旧紡績、製布、製糸及び紡績、または紡糸、製糸及び紡績、ならびに紡糸)6‐2 繊維加工(旧染色仕上加工)
- 技術士金属部門(7‐1 鉄鋼生産システム(旧鉄冶金)と7‐2 非鉄生産システム(旧非鉄冶金)のうち化学材料系エンジニア)
- 技術士農業部門(12-1 農芸化学)
- Civil
- 技術士建設部門(9-1 土質及び基礎、9-2 鋼構造及びコンクリート、9-3 都市及び地方計画、9-4 河川、砂防及び海岸、9-5 港湾及び空港 (旧港湾(空港を含む))、9-6 電力土木 (旧水力、発電土木)、9-7 道路、9-8 鉄道、9-9 トンネル、9-10 施工計画、施工設備及び積算(旧施工及び施工設備、施工計画及び施工設備)のシビルエンジニア、9-11 建設環境)
- 技術士上下水道部門(10-1 上水道及び工業用水道 (旧上水道、工業用水道)と10-2 下水道のうちのシビルエンジニア、10-3 水道環境)
- 技術士衛生工学部門(11-1 水質管理、11-2 廃棄物処理 (旧汚物処理、汚物処理及び廃水処理)と11-5 廃棄物管理計画のうちのシビルエンジニア)
- 技術士農業部門(12-3 農業土木のうちのシビルエンジニア、12-5 地域農業開発計画、12-6 農村環境)
- 技術士森林部門(13-2 森林土木(旧林業から森林土木が分離する前の「林業」も)で土木系エンジニア)
- 技術士水産部門(14-3 水産土木のうちの土木系エンジニア、14-4 水産水域環境)
- 技術士応用理学部門(17-3 地質でシビルエンジニア)
- Structural
- 技術士建設部門(9-1 から 9-10までの土木系構造エンジニア)
- 技術士上下水道部門(10-1 上水道及び工業用水道 (旧上水道、工業用水道)と10-2 下水道のうちの土木系構造エンジニア)
- 技術士衛生工学部門(11-1 水質管理、11-2 廃棄物処理 (旧汚物処理、汚物処理及び廃水処理)と11-5 廃棄物管理計画のうちの土木系構造エンジニア、11-3 空気調和施設、11-4 建築環境施設 (旧衛生施設)
- 技術士農業部門(12-3 農業土木のうちの構造エンジニア)
- 技術士森林部門(13-2 森林土木(旧林業から森林土木が分離する前の「林業」も)で構造エンジニア)
- 技術士水産部門(14-3 水産土木のうちの構造エンジニア)
- 技術士応用理学部門(17-3 地質で構造エンジニア)
- Electrical
- 技術士情報工学部門(16‐1 情報システム(旧生産管理部門・科学技術情報管理、情報管理)、16‐2 情報数理及び知識処理(旧応用理学部門・数学、数学応用、情報数理)16‐3 情報応用、16‐4 電子計算機システム(旧電子計算機応用)
2011年1月現在の加盟エコノミーは以下の通り。
- 日本
- オーストラリア
- カナダ
- 中国香港
- 韓国
- マレーシア
- ニュージーランド
- インドネシア
- フィリピン
- 米国
- タイ
- シンガポール
- チャイニーズ・タイペイ
- ロシア
EMF国際エンジニア
EMF(Engineers Mobility Forum)協定に加盟しているエコノミー間での技術者相互承認を行っている。APECエンジニアが政府間の枠組みによる相互承認なのに対し、EMF国際エンジニアは各国のエンジニア協会同士の相互承認となっている。日本の場合略称はIntPE(Jp)である。2011年1月現在の加盟エコノミーは以下の通り。
- 日本
- オーストラリア
- カナダ
- チャイニーズ・タイペイ
- 中国香港
- インド
- アイルランド
- 韓国
- マレーシア
- ニュージーランド
- シンガポール
- 南アフリカ
- スリランカ
- 英国
- 米国
台湾の技術士
台湾における技術士とは、職業訓練法に基づき労働部労働力発展署 が行う全国技術士技能検定 の合格者をいう。2014年の場合、全国技術士技能検定は129の職類に対して行われ[32]、その範囲は理工学に留まらず按摩や美容、会計事務など幅広い。ランクも職種に応じ甲級、乙級、丙級の3段階(多くの職種ではうち1~2段階、一部の職種は単一級の1段階のみ)あり、甲級は大学卒業後一定の業務経歴が必要だが、丙級は義務教育修了で受験できるなど、日本の技術士制度に比べ広範なものになっている。
出典
- ↑ 「技術士第二次試験突破ガイド第3版」p95 ISBN 9784526060052
- ↑ 「活躍できる技術士を目指して」技術士第二次試験合格の秘訣
- ↑ 日本技術士会 技術士試験センター「技術的体験論文について」5.論文内容(平成21年度)
- ↑ 日本技術士会 技術士試験センター「技術士制度について」p1
- ↑ 日本技術士会「技術士制度について」p14
- ↑ 日本技術士会英文名称
- ↑ 「SUKIYAKI塾」掲示板ログ2005.03.24「技術士の英文名称について」
- ↑ 日本技術士会 技術士試験センター「技術士制度について」p1,2
- ↑ 日本技術士会 技術士試験センター「技術士制度について」p8,13
- ↑ 日本技術士会 技術士試験センター 平成22年度技術士第一次試験実施大綱
- ↑ 日本技術士会 技術士試験センター 平成25年度 技術士第一次試験統計
- ↑ 日本技術士会「技術士制度について」p12
- ↑ 平成22年度技術士第二次試験実施大綱
- ↑ 日本技術士会 技術士試験センター 「技術的体験論文について」
- ↑ 日本技術士会 技術士試験センター「技術的体験論文について」6.その他
- ↑ NikkeiBP ITPro IT資格ゲッターの不合格体験記 第19回 技術士第二次試験(情報工学部門)「技術士」とは技術力の試験ではない!?
- ↑ 技術士第二次試験の試験方法の改正について
- ↑ 日本技術士会 技術士試験センター 統計情報
- ↑ 「技術士口頭試験マル秘対策」ISBN 978-4-915151-15-6
- ↑ 日本技術士会 技術士試験センター 平成20年度技術士第二次試験統計
- ↑ 月刊「技術士」2010年2月号 p64 日本技術士会
- ↑ 建設コンサルタント登録の要件
- ↑ 月刊「技術士」2010年2月号 p64 日本技術士会
- ↑ 月刊「技術士」2010年2月号 p66 日本技術士会
- ↑ 独立行政法人科学技術振興機構の研究者人材データベースにて実例を検索可能
- ↑ 資格別 年収サーチ-資格ごとの最新(2008年)給料・動向が分かる! - 年収ラボ
- ↑ 労働基準法第14条第1号及び第2号の規定に基づき厚生労働大臣が定める「高度の専門的知識等」の基準
- ↑ 日本技術士会 技術士試験センター「技術士制度について」p32
- ↑ 日本技術士会技術士試験センター「技術士制度について」p2
- ↑ 日本技術士会, 平成21年度『試験統計資料』、「スーパー技術士が語る合格のコツ (特集 これだけは知っておきたい建設新時代を読み解くキーワード - キーワードが役立つ技術士試験情報」, 『日経コンストラクション』 1999年7月23日号 等
- ↑ NikkeiBP ITPro「【IT業界の資格指南】第3回 技術士試験(上)」
- ↑ “行政院勞工委員會103年度全國技術士技能檢定實施計畫” (2013年12月2日). 2014年8月3日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 技術士分科会 - 文部科学省 科学技術・学術審議会の技術士分科会のページ
- 社団法人日本技術士会 - 技術士法に規定された、技術士の全国団体
- Engineers Mobility Forum - EMF国際エンジニア