「ホームオブハート事件」の版間の差分
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2007年9月6日 (木) 06:19時点における版
ホームオブハート事件(ホームオブハートじけん)とは、MASAYAこと倉渕透が主宰する自己啓発セミナーで行われている、「癒し」をキーワードにした心のビジネスによる一連の人権侵害や消費者被害事件のこと。MASAYAやToshi(元X Japanのボーカル)のコンサートなどをきっかけとして被害者となったとして、複数の訴訟が起こされている。また、ホームオブハート側も、営業妨害や名誉毀損で被害者側を訴えているほか、代理人の弁護士に対し懲戒請求を申し立てている。
概要
事件の発端は、2004年4月に栃木県県北児童相談所が、ホームオブハート施設内にいる児童5人を一時保護、1人を調査対象にしたことで、団体が児童虐待(児童福祉法違反や監禁罪)を行っている可能性が明るみになり、元X JapanのToshiが関係する団体ということもあってワイドショーなどで話題となったことに始まる。その際、MASAYAやToshiによって、児童虐待を告発した山本ゆかり(ホームオブハートとToshi問題を考える会・代表)への激しい名誉毀損発言が行われ、山本は紀藤正樹弁護士を代理人としてMASAYAおよびToshiを名誉毀損で訴えた。そのため、トシオフィス(Toshiの所属事務所)は逆に紀藤弁護士や山本らを営業妨害や名誉毀損で訴え、さらには所属弁護士会に対して懲戒請求を申し立てた。
そもそも、なぜ児童虐待が発生するかというと、自己啓発セミナー参加者の子供を、セミナー中はホームオブハートが預かるような仕組みになっているからである。そして、ホームオブハートでは、子供が泣くことを「親への執着がある状態」と定義し、それは悪い状態だとセミナー参加者に教え込む。執着の無い状態(=泣いたりわめいたりしない状態)へ育てるためと称して、ある2歳の男児は約1m四方のダンボール箱の中で育てられていたほか、「労働の強制」や登校などの「外出制限」を行っていたという(栃木県北児童相談所の調査)。
そのような行為が平然と許されているのは、ひとえにセミナーのトレーナー(指導者)であるMASAYAが団体内で絶対的な権力を持ち、恫喝や「フィードバック」と呼ばれる暴力行為の繰り返しによって、セミナー参加者に対しマインドコントロールを行っているためである。フィードバックとは、通常、外部への出力を再度入力することをいうが、団体内では、ある個人の背中を集団で叩くことを意味する。暴力行為によって、対象者の内面に存在する悪い固定観念を払拭することが出来るらしい。長時間の拘束による肉体的な疲労や、常時行われる罵倒および「フィードバック」の恐怖によって精神的に疲労させ、MASAYAの言動を疑うことは許されないといった考え方を思想的に強制する。さらには、セミナー代や会員権代、商品代(MASAYAのCDなど)として多額の金銭を供出させ、経済的にも破綻させる。供出に際しては、サラ金やクレジットを使うことを強制され、最後には自己破産する以外の方法は無くなる。
このような、精神的・金銭的被害に対し、元セミナー参加者から複数の損害賠償請求が起こされている。内1件は、2007年2月26日に判決が言い渡され、元セミナー参加者に対し、ホームオブハート側が約1500万円の賠償金を支払うよう、原告側の完全勝利ともいえる決定が出された。ホームオブハート側は、判決を不服として控訴している。
主な訴訟
A,B,Cなどの表記は、ホームオブハートとToshi問題を考える会による。
- 消費者被害による損害賠償請求(原告:元セミナー受講者C、被告:ホームオブハート、トシオフィス等)
- 2007年2月26日、元セミナー受講者が勝訴した。
- 消費者被害による損害賠償請求(原告:元セミナー受講者A・B、被告:ホームオブハート等)
- 消費者被害による損害賠償請求(原告:元セミナー受講者D、被告:ホームオブハート、トシオフィス等)
- 名誉毀損訴訟(原告:トシオフィス、被告:紀藤正樹、山本ゆかり等)
- 営業妨害による損害賠償請求(原告:トシオフィス、被告:山本ゆかり)
関連する団体について
ホームオブハート
自己啓発セミナー主催社「レムリアアイランドレコード」の後身団体。代表取締役は、桃井多賀子、加田順子であるが、実質的な決定は、全てMASAYAが行っているとされる。
トシオフィス
Toshiのコンサートやプロモーションに関する営業活動を行う。代表取締役は、Toshiこと出山利三。取締役に、Toshiの戸籍上の妻である出山香がいる。Toshiおよび出山香の両者とも、MASAYAのセミナー参加者である。Toshiはホームオブハートの広告塔として活動している。