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− | '''未使用硬貨'''(みしようこうか)はコイン収集家が好んで集める流通によるキズの見られないコイン。
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− | ==状態ランクと価格==
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− | コインには製造したばかりの輝きを放つものと、流通してサビ・キズ・擦り減ったものと様々である。10円硬貨ならその違いははっきりする。コイン収集家は状態のきれいなものを望み、きれいなものは希少価値があるので高い値段で取引される。またコインをきれいな状態のままで保存することは案外難しいので、高い値段は保存にかかるコストと割り切ることも出来る。10円硬貨で試してみるとわかるが、一見きれいな硬貨もしばらく置いておくと指紋がくっきり浮かび上がる。コインは触るだけで状態が悪化するため、いかにきれいな状態を保つのが難しいかがわかる。最近状態評価による価格の格差が一段と広がり、完全未使用と評価されるコインはオークションでバブルの様相を呈し、業者の売値も法外な値段が吹っかけられるようになった。
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− | 業者はなるべく高く売りたいので売るコインの評価は甘くなり、買い入れはなるべく安く済ませたいので買うコインの評価は厳しくなる。ひどい物になればどうひいき目に見ても美品なのに準未使用と評価されていたりする。試しに未使用と表記されたコインを業者で購入してある期間をおいた上で、同じ業者に売却するかその業者が主催するオークションに出品すると評価は極美品になったりする。売り未使用、買い極美とよく言われる。このように状態評価は主観的なもので決して世界で通用する客観的な絶対基準ではない。
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− | ==未使用硬貨とは==
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− | 貨幣カタログにある未使用硬貨は全く使用されていない硬貨と思われがちである。文字通り受け止めればそうだが、硬貨は造幣局から日本銀行へ交付されることにより発行され、この時点で流通したことになるので本来文字通りの未使用硬貨は存在しない。いわゆる未使用硬貨とは流通による磨耗・キズが無く製造当時の状態の硬貨のことを言うので注意が必要である。また硬貨は製造過程で出来たものから箱へ落とされ、袋詰めで出荷されるので完全無傷のものが存在するはずは無い。銀行ロールに巻けば巻きキズが出来る。
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− | ==磨けばきれいになるか==
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− | 10円硬貨をサンポールにつけるとサビが落ちて一見きれいになる。また消しゴムやピカールで磨くと素人目にはきれいになる。だが磨き・洗浄されたものは玄人コイン収集家にはイヤミな輝きに見え忌み嫌われる。顕微鏡で観察すれば表面に溶けたブツブツの穴やキズが多く見られるため、違いは一目瞭然で評価は一段と下がる。一旦このように変化してしまうと決して元には戻らない。古いコインは再生不可能な文化財なので磨く磨かないは個人の好みの問題と片付けるわけには行かない。日本人は銀貨は銀色に光っているものを好むので、銀サビの付いた銀貨やトーンのかかった銀貨はコインクリーナーで磨き銀色に光らせてしまう。業者も銀色に光っているものの方が良く売れるので銀色に光らせて売る。だが銀色に光らせたコインも時間が経てば黄色く変色するので何度も磨くことを繰り返さなければならない。こうしてコインは擦り減っていき状態が下がっていく。どんな加工を施しても一旦状態の劣化したコインのグレードを上げることは絶対に不可能。
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− | ==コインの状態ランク付け==
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− | ===並品===
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− | ;Fine(F 11-19)
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− | 普通にある状態。流通により擦り減った状態。
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− | ===美品===
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− | ;Very Fine(VF 20-39)
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− | 普通にあるもので少しきれいな状態。
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− | ===極美品===
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− | ;Extremely Fine(XF 40-49)
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− | 流通しているが未使用の輝きを残した状態。
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− | ===準未使用===
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− | ;About Uncirculated(AU 50-59)
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− | やや流通のあとが見られるが未使用に近い状態。
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− | ===未使用級===
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− | 実際には準未使用だが業者が準未使用とするには惜しいレベルの状態につける呼称。
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− | ===未使用品===
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− | ;Uncirculated(MS 60-65)
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− | 製造当時の輝きをもつ状態。トーンによる変色があっても流通によるキズ・磨耗のない状態。
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− | ===完全未使用===
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− | ;Brilliant Uncirculated(MS 66-69)
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− | 未使用品のなかでも特にキズが少なく製造当時の輝きをもつ状態。ダイヤ光りとも呼ばれる。
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− | ===完全完未===
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− | ;Perfect Brilliant Uncirculated(MS 70)
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− | 名前通り完全未使用なら完全なはずだが、完全なものが存在するはずが無いので完全未使用のさらに上のランクに対する呼称。
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− | ==スラブ入りコイン==
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− | 日本でのコインの状態評価は客観性に欠けるので、コインを投資対象とする場合アメリカの鑑定機関で状態評価を受け、プラスチックケースに封入して状態評価を表示したコインが日本でも見られるようになって来た。この鑑定機関にはPCGS(Professinal Coin Grading Service)・ANA(American Numismatic Association)・ANACS(America's Oldest Grading Service)・HCGS(Hallmark Coin Grading Service)などがあって権威や評価基準が異なる。コインの状態評価を受けスラブに封入するには手持ちのコインをアメリカの鑑定会社に送りしばらく待たなければならない。日本の業者にはアメリカへの送付のサービスを代行する者もある。コイン収集家はこの鑑定結果を心待ちにするが、鑑定結果が不満でスラブから取り出しほとぼりが冷めてから再鑑定に出す者や鑑定機関を代えて再鑑定に出す者もいる。磨き・洗浄されたコインは鑑定対象外とされる。そもそも鑑定機関はアメリカにあるのでアメリカコインについては鑑定結果は信頼できるが日本のコインについてはあまり信頼できないと言われる。
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− | ==未使用硬貨の保存==
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− | コインは空気中では酸化する。手で触れたり湿気によりサビは促進される。ものに当たればキズが付く。つまりこのようなことを避けるように心がければ良い。完璧を期したいなら超高真空の容器に密封しなければならない。スラブに封入するのが現実的だが、これとて完璧でなく接着剤や湿気が封入されるためコインは少しずつ劣化する。
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− | {{DEFAULTSORT:みしようこうか}}
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− | [[Category:都市伝説]]
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