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2017年9月13日 (水) 10:57時点における最新版

?バニラ
250px
バニラ
種の保全状態評価
地質時代
 - 
分類
植物界 Plantae
被子植物門 Magnoliophyta
単子葉植物綱 Liliopsida
ラン目 Orchidales
ラン科 Orchidaceae
バニラ属 Vanilla
バニラ V. planifolia
変種
品種
学名
Vanilla planifolia
和名
バニラ
英名
Vanilla
下位分類群
[[画像:|0200px|]]

バニラ(vanilla、学名 Vanilla planifolia)はラン科バニラ属蔓性植物。または、その植物から抽出された香料のこと。種小名ラテン語で「扁平な葉」を意味する。

原産はメキシコ中央アメリカといわれている。栽培はマダガスカルメキシコグアテマラブラジルパラグアイインドネシアなど。

植物[編集]

蔓(茎)は樹木やそのほかのものにからんで成長していく。長いときは60mを超える。種子は香料の原料となるが、収穫した豆(種子鞘)には香りはない。ここから発酵乾燥を繰り返すキュアリングを行う事によって初めて独特の甘い香りがするようになる。鞘の中には非常に微細な黒色の種子が無数に含まれている。

日本国内でも観葉植物として苗が流通することがあり、植物の入手自体はそれほど難しくない。しかし栽培には冬期に高い温度を必要とすることと、大きな株にならなければ開花しないこともあり、個人栽培で開花・結実させるのは難しい。

香料[編集]

バニラ・ビーンズバニラ・エッセンスバニラ・オイルの三種類がある。

バニラ・ビーンズはその名の通りバニラの種子のことであるが、種子を含んだ種子鞘ごと発酵乾燥を繰り返すキュアリングを行うことによって初めて香料となる。原料として主に使用されるのはバニラ (Vanilla planifolia) の種子鞘で、この他に品質は少し劣るものの、同じバニラ属であるニシインドバニラV. pompona)も原料として利用される。

ファイル:Map Vanilla.png
バニラの分布域

バニラ・エッセンス、バニラ・オイルは成分抽出して溶剤にとかしたものであるが、バニラ・ビーンズは非常に高価(一本数百円)なため、人工的に合成された成分を大なり小なり溶かした物が多い。この為人工香料を使わず、酒類にバニラ・ビーンズを直接漬け込み作られたバニラ・エッセンスは特にバニラ・エキストラクトと呼ばれ区別される。

成分[編集]

ファイル:Vanillin.svg
バニリンの構造式

天然のバニラは数百種類の化合物から成る非常に複雑な混合物であるが、バニラ特有の風味や香味の元となる化合物は主にバニリンである(詳細についてはバニリンの記事を参照)。

バニラ・ビーンズは非常に高価なため、その香り主成分の合成には長い間興味が持たれていた。最初の工業的合成は、より簡単に得られる天然物のオイゲロールを出発物質としていた。これをイソオイゲロールへと異性化させ、次に酸化することによりバニリンが得られる。現在では、ライマー・チーマン反応によるグアイアコールの合成を含む工程や、紙工業の副生物として得られる木材の構成成分、リグニンの発酵によって作られている。リグニンを原料とする人工バニラの香りは、バニラエクストラクトよりも豊かな香りを持つとされる。

バニラエッセンスは主にエタノールを、バニラオイルは油脂を溶剤としている。

生産[編集]

バニラの生産順位[1]
(2005年、単位は100万トン)
テンプレート:MAD 3.0
インドの旗 インド 2.4
中華人民共和国の旗 中華人民共和国 1.0
メキシコの旗 メキシコ 0.2
トルコの旗 トルコ 0.2
テンプレート:COM 0.1
全世界 7.3

メキシコか、中央アメリカ原産であるが、現在はマダガスカルを中心に熱帯各地で栽培されている。2005年の全世界生産量730万トンのうち、マダガスカルインドネシア中国の3カ国で9割弱を占める。次いで、メキシコトルココモロである。

用途[編集]

一番よく利用されるのは、アイスクリームであろう。単にアイスクリームという場合は、バニラアイスクリームのことを指すことが多い。ケーキなどの洋菓子の香りつけにも利用される。またコーヒーココアワインなどにも入れられる。

バニラエッセンスは加熱によって香りが揮発しやすいため、焼き菓子など高温で加熱する物にはバニラオイルが適している。どちらも非常に香りが強く、特にオイルは数滴で十分な香りを放つため使用分量には注意が必要である。

主な使用例[編集]

歴史[編集]

バニラは、コロンブス以前の中央アメリカでタバコやカカオ飲料の香り付けに用いられていた香味料であり、スペインの征服者によってヨーロッパへと持ち帰られた。古代メキシコ以来、19世紀中頃にフランス人の栽培者が、彼らの知っていた花の人工授精の方法の知識と、トトナコ族のバニラ・ビーンズの製法の知識を交換するまで、トトナコ族の人々が最良のバニラの生産者とされていた。

脚注[編集]

  1. 国際連合食糧農業機関 (FAO)[1]

外部リンク[編集]

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