「芸大アカデミズム」の版間の差分
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2009年3月27日 (金) 07:26時点における版
芸大アカデミズム(読み:げいだいあかでみずむ)は、主に東京芸術大学の作曲科を中心に通用する一定の"決まりきった"音楽語法。
時々「マイコン・アカデミズム」とか「尾高アカデミズム」ともいわれる事がある。その原因はフランス留学帰りまたはその弟子たちの音楽作品が、毎日音楽コンクールとか尾高賞などで長年にわたって大量入賞したため、日本の若い作曲家としてのデビューの登竜門となり、現在日本各地の音楽大学や教員養成課程で文科省の検定済み教科書や指導要領並みに画一的に一律として教えられている。
主なテクニックは、
- バルトーク風の無調の動機展開
- メロディーの存在するフランス風の和声付け
- 弦をそれぞれ二部以上分割した、しかし東京の中堅のオーケストラの編成に配慮した16型の三管編成の管弦楽法とスレを満遍なく使うこと。
- 現代音楽におけるクライマックスの存在
- 劇的オスティナート
- 交響曲などの題目へのこだわり
- 20分以内の演奏時間
- ピアノの内部奏法などの極端な特殊奏法の禁止
- 古い感情音楽主義:音響作曲法の否定
- 偶然性や不確定性などの無視
- セリエル音楽の否定
- 現場では必修にもかかわらず無調の聴音や新曲視唱・レパートリーでのレッスンの否定。
- 電子音やライブエレクトロニックスの管弦楽への挿入の否定、また「電子音楽」のアコースティックな楽器や管弦楽法のかかわりの否定
などがある。
なおこのような音楽語法は欧米では同じく中央集権に当たるパリ音楽院などが有名である。芸大で出題される試験問題がこの音楽院と全くそっくりなので、「芸大アカデミズム」=「パリ音楽院アカデミズム」とも言われるので限りなくなく同義語に近い。両者の大きな共通点はあくまでも実態に合わない実践で役に立たない超保守的な考え方だといわれる。同じような傾向としては「ロンドン王立音楽院」などの試験も上げられる。なお試験問題を出すのはもっぱら現地の作曲の先生が聴音なり、新曲視唱なり、和声課題なり専攻を問わず出すので、現地の作曲科の教授の考え方そのものがその音大の特色を作り出しているといっても過言ではない。