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+ | アメリカの主導する[[グローバリズム]]の象徴としてファーストフードが取り上げられる場合もあり、[[反グローバリズム]]、[[スローフード]]、[[フェアトレード]]などの、経済論理と文化論が混ざった「反ファーストフード運動」が見られる。 | ||
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+ | アメリカ式のファーストフードは、1970年代初頭に日本に流入してきた。1970年に英国の[[ウインピー]]をはじめ、[[ケンタッキーフライドチキン]]、[[ドムドムハンバーガー]]、1971年に[[マクドナルド]]、[[ミスタードーナツ]]、1972年に[[ロッテリア]]、[[モスバーガー]]が出店を開始した。なお、米軍統治下の[[沖縄県]]では、1963年に[[北中城村]]に[[A&Wレストラン|A&W]]の1号店が開店している。なおモスバーガーは他のハンバーガーチェーン店と形態は似通っているが、注文を受けて調理している等の違いがあることから、ハンバーガーレストランに分類されファーストフード店には該当しないという解釈もある。 | ||
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+ | 日本には、アメリカ系チェーンだけではなくアメリカ以外のチェーンがある。「安い」「速い」というキーワードで、[[立ち食いそば・うどん店|立ち食いそば]]など古い食文化がファーストフードとなったのみならず、[[牛丼]]、[[ラーメン]]、[[カレーライス]]など、[[近代]]になってから日本で展開されるようになった食文化もファーストフードチェーンとして営業している。[[ファミリーレストラン]]、[[大衆食堂|定食屋]]、[[回転寿司]]のような店内で座席に座るものから、[[弁当]]、[[菓子パン]]、[[惣菜]]などを売る軽食産業は広がっている。また、かつて屋台で食べられていた安くて速い軽食も、常設の料理店で提供されるようになったものが多く、これらの料理全てがファーストフードとひとくくりにされることは無い。 | ||
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+ | ファーストフードは「安さ」が売りのひとつである場合が多く、経営者が人件費を下げる必要性に迫られる場合が多い。そのためスキルを必要としない経営が行われ、簡易または[[マニュアル]]化された手順書を用意し、常用社員ではなく非正規雇用者を雇用し、主婦や学生などをパートタイムで雇用する事が多い。 | ||
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2019年11月30日 (土) 11:25時点における版
ファーストフードまたはファストフード(主にメディアが活用する省略語)(英:fast food)とは、短時間で調理、あるいは注文してからすぐ食べられる[1][2]手軽な食品や食事のこと。日本語のファーストの文字からは「最初」を意味する英単語の first が連想されることもあるが、そうではなく、「速い」を意味する英単語のfast(米英語では/ˈfæst/、擬似的にはファストと発音する。「fast food の日本語表記における混乱と問題点」節で詳述)に由来している。
料理と共に、それらを提供している外食産業について記述する。
各地の様子
アメリカ合衆国
食文化は、民族、地域によって異なるため、それらの枠を越えて広がるには時間がかかり、それどころか、全く伝播しないことさえある。米国は多民族国家であるため、民族、出身国、人種、アメリカ国内での地域差などで分かれる食文化の枠を越えなければ、大きなビジネスにはならない宿命があった。
ファーストフードの始まりは、アメリカ国内における民族・地域の枠を越えて民族横断的に受け入れられる味付けであったこともさることながら、エンゲル係数が高かった時代に「安価」であったことが最大の武器となって広まった。中産階級においては、安価であることよりも、手軽に食べられ、食物エネルギーが大きいファーストフードは、労働効率を上げる食事として受け入れられていった。ハンバーガー、ホットドッグ、フライドチキン、サンドイッチ、ピザなど、種類ごとに「フードチェーン」がつくられて大企業化していった。
第二次世界大戦後、チェーン店が本格的に外国に展開し始めた。しかし、アメリカのノウハウそのままで海外進出した場合、為替の問題でファーストフードはかなり「高額」な食事になってしまった。特に、牛肉食の文化があまりない国に出店する際は、材料の入手でさらにコストが上がり、「ファーストフード = 富裕層の食事」という、アメリカ国内では考えられない図式で導入されることとなった。
海外進出初期においては「安価」ではないファーストフードであったが、「アメリカ資本」の「巨大フードチェーン」の進出は、競争力のないそれぞれの国の国内産業を圧迫するとともに、米国の文化侵略の象徴とみなされ、出店規制が行われることが多々見られた。
健康に関する知識の疎い貧困層ほど食事に占めるファーストフードの比率が高く、その為に貧困層ほど肥満になりやすい事が報告されている。また調理に時間がかからず、安価な点からファーストフードを選ばざるを得ない事情があるという[3]。
ヨーロッパ
自国産業を保護する政策が強く、巨大資本のアメリカ系企業に規制がかけられている国がある。特にフランスでは、アメリカ資本のファーストフードチェーンは少ない。しかし、国内企業のファーストフードチェーンや、個人経営に近いファーストフード系の店は見られ、パニーノ、グレック、シシカバブのような、アメリカとは異なった種類のファーストフードも見られる。
アメリカの主導するグローバリズムの象徴としてファーストフードが取り上げられる場合もあり、反グローバリズム、スローフード、フェアトレードなどの、経済論理と文化論が混ざった「反ファーストフード運動」が見られる。
日本
江戸時代には、蕎麦、天ぷら、寿司、おでん、うなぎ、串焼きなどが、街中を流す屋台で手軽に素早く食べられる料理として売られていた。
アメリカ式のファーストフードは、1970年代初頭に日本に流入してきた。1970年に英国のウインピーをはじめ、ケンタッキーフライドチキン、ドムドムハンバーガー、1971年にマクドナルド、ミスタードーナツ、1972年にロッテリア、モスバーガーが出店を開始した。なお、米軍統治下の沖縄県では、1963年に北中城村にA&Wの1号店が開店している。なおモスバーガーは他のハンバーガーチェーン店と形態は似通っているが、注文を受けて調理している等の違いがあることから、ハンバーガーレストランに分類されファーストフード店には該当しないという解釈もある。
日本には、アメリカ系チェーンだけではなくアメリカ以外のチェーンがある。「安い」「速い」というキーワードで、立ち食いそばなど古い食文化がファーストフードとなったのみならず、牛丼、ラーメン、カレーライスなど、近代になってから日本で展開されるようになった食文化もファーストフードチェーンとして営業している。ファミリーレストラン、定食屋、回転寿司のような店内で座席に座るものから、弁当、菓子パン、惣菜などを売る軽食産業は広がっている。また、かつて屋台で食べられていた安くて速い軽食も、常設の料理店で提供されるようになったものが多く、これらの料理全てがファーストフードとひとくくりにされることは無い。
ファーストフードは「安さ」が売りのひとつである場合が多く、経営者が人件費を下げる必要性に迫られる場合が多い。そのためスキルを必要としない経営が行われ、簡易またはマニュアル化された手順書を用意し、常用社員ではなく非正規雇用者を雇用し、主婦や学生などをパートタイムで雇用する事が多い。
中国
中国でファーストフードは「快餐 クワイツァン kuàicān」と呼ばれるが、必ずしも欧米風のものを指す訳ではなく、トレーに中華料理を盛って食べさせる定食屋などにも「快餐」の看板が掲げられている。中国では、1980年代に始まった改革開放政策の結果、ケンタッキーフライドチキンやマクドナルドなどの世界的ファーストフード店が大都市から出店を始め、すでにかなりの地方都市にまで普及している。民族資本系洋風ファーストフードチェーンでは中国・台湾合弁のディコスが最大手である。もともと中国にある、麺類や餃子、ちまきなどの点心も、ファーストフードの性格をもっているが、欧米のチェーン店についで、台湾資本の豆乳を売り物にするファーストフード店が人気を集めるようになると、中華料理を基本にしたファーストフードチェーンも種々オープンするようになった。最近では台湾風のおにぎりチェーンや、日式のラーメン店やカレーライスの店などにも人気が出ている。
脚注
出典
参考文献
- 『新版毎日新聞用語集』 毎日新聞社 454ページ ISBN 4620904821