「ごみ収集車」の版間の差分

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2013年12月29日 (日) 15:08時点における最新版

ごみ収集車(ごみしゅうしゅうしゃ)とは、ごみを処分施設まで運搬する目的に特化した業務用車両である。

日本においては、国土交通省による区分(特種用途自動車を参照)では塵芥車と称されるほか、業界団体やメーカー・需要家などにおいては塵芥収集車と称されることもある。また、通称として清掃車・集塵車などと称されることもある。

概要[編集]

日本で最も普及している機械式ごみ収集車で、厨芥などの収集ごみを自動的に荷箱に押し込み圧縮する装置を備えている。

家庭ごみの収集には、回転板で押込む方式の2トン車が用いられるが、実積載量はごみの質による差はあるものの1トンから1.4トン程度とされる。プレス機構により減容しながら箱型の容器に積み込むので、ごみの飛散を防ぎ、積載効率を向上することができる。プレス機構は強力であり、普通の家具などは難なく押しつぶすパワーを持っている。一方、操作員が詰まったゴミを排除しようとした際などに誤って巻き込まれる事故も発生している。

生ごみなどを含むごみを回収する際に悪臭を生ずる場合があり、この原因となる水分を垂れ流さないため車体の下部には汚水タンクが取り付けられている。

収集車は不燃ごみや粗大ごみの収集にも使われるが、石油ファンヒーターやガスボンベ、スプレー缶などがプレス板に押し潰される際に爆発し、最悪の場合は箱型容器から出火する例もある。

ごみの積み込みは人力で行うが、主に都市部では収集コンテナを置き、コンテナを収集車後部にあるリフトに接続して反転し、テールゲート内へ投入することもある。荷下ろしの方法はダンプ式または押出式(荷箱内の押出板が後方へスライド)である。

一部の車両は助手席からの乗降を容易にするため、助手席側のドアがスライドドアに改造されている。また、日本の一部の地方自治体アジア諸国などでは、周りの人々に気付いてもらいやすいように、電子音のメロディを鳴らしながらごみを回収する事例もある。

アメリカではアーム付ごみ収集車もある、garbage truckやtrash truckと呼ばれている。一般に日本のものより大型車を採用している。

回転板式車は粗大ごみなどの回収には不向きで、しばしば停止することが見られる。

主な用途[編集]

ごみ収集の他にも、古紙回収業者がオフィス町内会等から古段ボールや新聞古紙などを回収したり、造園業者が剪定後の小枝の運搬用とするなど積荷を限定して使用することもある。

最近では弾力が大きいペットボトル積込に対応した機種も発売されている。

最新式のパッカー車は計量装置(自重計)を装備し、ゴミの重量をおおむね正確に計量することが可能である。

種類[編集]

  • 回転板式車(パッカー車)
    • テールゲート底部にある回転板でごみをかき上げ、上部にある押込板で荷箱へ押し込む。ほとんどがダンプカーのように荷台を持ち上げて排出する。
  • 圧縮板式車
    • テールゲート内に上下する圧縮板があり、ごみをプレスしてからかき上げて荷箱内へ積み込む。センターパネル(ゴミ逆流防止装置)を装備するものもある。大半が荷台を持ち上げずに荷箱内の排出板で押し出して排出する。
  • 荷箱回転式車
    • 円形のドラムを回転させながら、ごみを巻き込んで積み込む方式。ロータリー式とも呼ばれ、コンクリートミキサー車のごみ収集車版みたいなものである。大半が荷台を少し傾けてドラムを逆回転さして排出する。中はコンクリートミキサー車のようなスクリューがある。

日本のメーカーにおける呼称(商品名)[編集]

  • 極東開発工業 - プレス式:プレスパック、回転板式:パックマン
  • 新明和工業 - プレス式:G-PX・タウンパック、回転板式:G-RX・ルートパッカー
  • 富士車輌 - プレス式:プレスローダー、回転板式:クリーンパッカー、荷箱回転式:ロータリープレス
  • 富士重工業 - フジマイティー(プレス式:G-PX、回転板式:G-RX) ※2012年末をもって製造を終了した。
  • モリタエコノス - プレス式:プレスマスター、回転板式:パックマスター

主な使用されている車種[編集]

歴史[編集]

日本で現在のように使われ始めたのは、1960年代後半からである。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]