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*対照的にアザミサンゴは一年後の時点で傷が再生し、文字が解らない状態になっていた(当時、サンゴが元に戻るのに数十年かかると報道されていた)。 | *対照的にアザミサンゴは一年後の時点で傷が再生し、文字が解らない状態になっていた(当時、サンゴが元に戻るのに数十年かかると報道されていた)。 | ||
*更に有名になったアザミサンゴを見に来たダイバーがアザミサンゴや周辺の珊瑚礁に[[スクーバ]]・タンクをぶつける被害などもでている。 | *更に有名になったアザミサンゴを見に来たダイバーがアザミサンゴや周辺の珊瑚礁に[[スクーバ]]・タンクをぶつける被害などもでている。 | ||
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+ | 日本人を悪者として貶めたい欲求があるからではないのか。日本や日本人を「悪」と決めつけて糾弾することで、自分自身は正義の側に立つことができる。他を貶めることで自分を美化し、道徳的優越感を享受したいのであれば、それは根本的に偽善である。日本や日本人同胞を虐げる偽善だから「虐日偽善」と表現すべきである。 | ||
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2015年3月24日 (火) 20:30時点における最新版
朝日新聞 珊瑚記事捏造事件(あさひしんぶん さんごきじねつぞうじけん)とは、1989年に沖縄県西表島で、朝日新聞社のカメラマンが珊瑚に落書きをし、落書きについて、事実と異なる新聞記事を捏造した事件のことである。
目次
概要[編集]
記事掲載[編集]
1989年4月20日の朝日新聞夕刊(大阪本社版は除く)に、「沖縄県西表島のアザミサンゴにKYの落書きがされている。これは80年代の日本人の記念碑になるに違いない」という記事が載った。これはダイバーのモラルの低さを批判し、環境破壊に対して警鐘をならす記事であった。 しかしその後、これを不審に思った地元の沖縄県竹富町ダイビング組合が「サンゴに書かれた落書きは、取材者によるものではないか」との指摘を行った。
二度の謝罪記事[編集]
これに対して朝日新聞は5月16日の朝刊で「撮影効果をあげるため、うっすらと残っていた部分をストロボの柄でこすった」とし、行き過ぎた報道があった点に関して謝罪記事を掲載した。しかし、その後の継続的な調査を経て「カメラマンが無傷の状態であったサンゴに文字を刻み付けた」との判断を発表し、ようやく虚偽報道であったことを認め、5月20日の朝刊で再び謝罪した。
朝日新聞社の対応[編集]
5月19日付けで珊瑚に傷をつけた東京本社写真部員・本田嘉郎は退社(懲戒解雇)処分、東京本社編集局長・同写真部長は更迭、同行していた西部本社写真部員は停職三カ月、一柳東一郎社長(当時)が責任をとって辞任という結果となった。
その後朝日新聞社の最高幹部が沖縄県庁などに謝罪したが、非常に横柄な態度をとっていた様子が全国にテレビ放送され、さらなる批判と抗議を受けた。しかもこの様子に対する抗議には「朝日にかぎって絶対そんなことはない」という応対がなされ、報道機関のみならず朝日新聞社の体質そのものを問う事件となった。
本田は自然環境保全法違反で検察庁に送致された。これは誰の所有でもない珊瑚に傷を付けた為に器物破損罪に問えないための措置である。しかし、当時の自然環境保全法の主旨は植物や動物を捕獲(採捕)することを禁止したものであり、動植物を損傷する行為を禁止していなかった。そのため、実際は不起訴処分となり刑事処分を受けなかった。これは起訴しても類推解釈の禁止の原則を定めた刑法の罪刑法定主義に抵触し、裁判所が無罪判決を出すのが明らかであるためである。社会的非難を集めた事件ではあったが、刑事罰を受けることは無かった。この状況に対応するため、自然環境保全法は1990年に損傷も禁止する規定に改正(平成2年法律第26号)された。現在は同様な行為をした者は立件できるようになった。
背景[編集]
- この時期の新聞は急速に台頭してきたテレビニュースとの競争にさらされ、写真報道に力が入れられていた。この虚偽報道の特殊性は写真にからむ捏造であり、新聞の虚偽報道としてはやや複雑な様相を呈している。
- 中村庸夫によると、西表島に偶然『K・Y』というイニシャルの有名ダイバーが居て、彼が憤慨して調査を始めたのがきっかけであったとされる。
- サンゴはアザミサンゴという種類である。
その後の顛末[編集]
海洋写真家の中村庸夫の著書『サンゴ礁の秘密―彼らは“地球の肺”である』(祥伝社)P57~65にこの事件に関する顛末が記載されている。
- 「朝日珊瑚事件」の取材に来たマスコミにより、およそ百隻余りの船が取材の際に錨を落とした為、およそ一年後の時点で件のアザミサンゴの周辺の珊瑚がボキボキに折られ白い傷口を無残に晒し、珊瑚礁が傷だらけになっていた。
- 対照的にアザミサンゴは一年後の時点で傷が再生し、文字が解らない状態になっていた(当時、サンゴが元に戻るのに数十年かかると報道されていた)。
- 更に有名になったアザミサンゴを見に来たダイバーがアザミサンゴや周辺の珊瑚礁にスクーバ・タンクをぶつける被害などもでている。
1989年 “サンゴ落書き捏造” 記事に見る、朝日新聞 「虐日偽善」の姿[編集]
この事件では写真の捏造ばかりが問題になったが、実は、記事の文章も「極めて悪質」と言わざるを得ない。その末尾は次のようになっていた。
「日本人は、落書きにかけて今や世界に冠たる民族かもしれない。だけどこれは、将来の人たちが見たら、80年代日本人の記念碑になるに違いない。百年単位で育ってきたものを、瞬時に傷つけて恥じない、精神の貧しさの、すさんだ心の…。にしても、一体『K・Y』ってだれだ」
仮に写真が本物であったとしても、この文章は二重の意味で明らかに間違っている。
第1に、犯人はまったく不明なのだから、日本人の犯行と断定することはできない。アルファベットのイニシャルだから、外国人の可能性も十分考えられる。
第2に、犯人が日本人だとしても、一部の人間の行為を日本人全体の犯罪として糾弾し、モラルなき悪質民族と決めつけるのは、誠に異様である。それは、「世界に冠たる民族」「80年代日本人の記念碑」といった極端な表現に現れている。
ではなぜ、こんな発想が出てくるのか。
日本人を悪者として貶めたい欲求があるからではないのか。日本や日本人を「悪」と決めつけて糾弾することで、自分自身は正義の側に立つことができる。他を貶めることで自分を美化し、道徳的優越感を享受したいのであれば、それは根本的に偽善である。日本や日本人同胞を虐げる偽善だから「虐日偽善」と表現すべきである。
備考[編集]
- 2006年度より使用されている中学校社会科の公民教科書「中学社会 新しい公民教科書 新訂版」(新しい歴史教科書をつくる会編扶桑社発行)に、この事件が取り上げられている。
- 楳図かずおのギャグ漫画である『まことちゃん』(週刊少年サンデー1989年掲載)のエピソードのひとつに、このサンゴに傷を付けた「K・Y」を「ココロよくない人」として神様がこの世から消してしまうというものがある。
- あだち充の漫画『虹色とうがらし』の冒頭(週刊少年サンデー1990年掲載)にて、「地球に似た架空の星において、イニシャル入りの珊瑚礁などどこにも見当たらない」といった皮肉が見られる。
- 井沢元彦は『逆説のニッポン歴史観』において、もし朝日新聞の主張するような歴史教科書の書き方で「朝日新聞の」歴史教科書を作ったらということで、1950年の伊藤律会見報道事件とともにこの珊瑚事件を掲載した仮想の教科書を載せている。
- 朝日新聞社も参加しているkotobankにも"KY"の項目はあるが、この意味では載っていない。