「身体障害者補助犬法」の版間の差分

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2007年6月28日 (木) 02:41時点における最新版

身体障害者補助犬法しんたいしょうがいしゃほじょけんほう平成14年5月29日法律第49号)は、身体障害者補助犬を使う身体障害者が自立と社会参加することが促進されるための法律

同法第1条に拠れば

身体障害者補助犬を訓練する事業を行う者及び身体障害者補助犬を使用する身体障害者の義務等を定めるとともに、身体障害者が等が管理する施設、公共交通機関等を利用する場合において身体障害者補助犬を同伴することができるようにするための措置を講ずること等により、身体障害者補助犬の育成及びこれを使用する身体障害者の施設等の利用の円滑化を図り、もって身体障害者の自立及び社会参加の促進に寄与することを目的とする

施行[編集]

2002年(平成14年)10月1日から施行された。ただし、第2章の規定(介助犬又は聴導犬の訓練に係る部分に限る)については、2003年4月1日から、9条の規定は同年10月1日から施行された。

補助犬の定義[編集]

身体障害者補助犬とは、盲導犬介助犬聴導犬の三種をいう(2条)。附則6条により、「この法律の施行後三年を経過した場合においては、身体障害者補助犬の育成の状況、第四章に規定する施設等における身体障害者補助犬の同伴又は使用の状況その他この法律の施行の状況について検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるもの」とされている。

構成[編集]

4章では、施設等における身体障害者補助犬の同伴等について規定されている。7条から11条までは施設等の義務を、12条と13条は身体障害者補助犬を同伴する者の義務について規定する。

  • 7条は、地方公共団体独立行政法人特殊法人は、管理する施設・事業所・事務所・住居において「その管理する施設を身体障害者が利用する場合において身体障害者補助犬(第十二条第一項に規定する表示をしたものに限る。以下この項及び次項並びに次条から第十条までにおいて同じ。)を同伴することを拒んではならない」ことを定める。
  • 8条は、公共交通事業者【例・鉄道事業者バス事業者航空会社、船会社】等が、「その管理する旅客施設(高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律第二条第四項に規定する旅客施設をいう。以下同じ。)及び旅客の運送を行うためその事業の用に供する車両等(車両自動車船舶及び航空機をいう。)を身体障害者が利用する場合において身体障害者補助犬を同伴することを拒んではならない」ことを定める。
  • 9条は、民間施設に関する規定である。「前二条に定めるもののほか、不特定かつ多数の者が利用する施設【例・スーパーマーケットデパートホテルレストランなど】を管理する者は、当該施設を身体障害者が利用する場合において身体障害者補助犬を同伴することを拒んではならない」と定める。この条項に限っては、附則1条により、2003年10月1日に施行された。
  • 10条は、「事業主(国等を除く。)は、その事業所又は事務所に勤務する身体障害者が当該事業所又は事務所において身体障害者補助犬を使用することを拒まないよう努めなければならない」ことを規定する。
  • 11条は、「住宅を管理する者(国等を除く。)は、その管理する住宅に居住する身体障害者が当該住宅において身体障害者補助犬を使用することを拒まないよう努めなければならない」ことを定める。
  • 12条は、「この章に規定する施設等(住宅を除く。)の利用等を行う場合において身体障害者補助犬を同伴し、又は使用する身体障害者は、厚生労働省令で定めるところにより、その身体障害者補助犬に、その者のために訓練された身体障害者補助犬である旨を明らかにするための表示をしなければなら」ず、また、「この章に規定する施設等の利用等を行う場合において身体障害者補助犬を同伴し、又は使用する身体障害者は、その身体障害者補助犬が公衆衛生上の危害を生じさせるおそれがない旨を明らかにするため必要な厚生労働省令で定める書類を所持し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない」ことを定める。
  • 13条は、「この章に規定する施設等の利用等を行う場合において身体障害者補助犬を同伴し、又は使用する身体障害者は、その身体障害者補助犬が他人に迷惑を及ぼすことがないようその行動を十分管理しなければならない」ことを定める。

施行後の状況[編集]

施行前から盲導犬などの受け入れを積極的に行っていた、スーパーマーケットやデパートなどでは、そのまま引き続き、盲導犬入店OKの表示が行われ、盲導犬を連れた買い物客を見受けることもあるが、従来、衛生面の懸念からか、盲導犬などの受け入れに消極的であった、ホテルやレストランといった食品関係を扱う施設では、法律の趣旨が徹底していないためか、法律の施行後も、入店を断られる場合もあるといわれる。

また、介助犬の場合は店員が犬に接触する場合があり、店員が「動物が苦手で近寄れない、触れない」といったケースも生じている。盲導犬の場合、店員が直接犬に触れることはあまりないのでそういった問題はほとんど生じていない。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]