「ビスケット」の版間の差分
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2017年8月28日 (月) 23:23時点における最新版
ビスケット (biscuit) は、小麦粉を主材料に焼いた洋菓子である。小麦粉に牛乳、ショートニング、バター、砂糖などを混ぜて、サクサクした食感に焼いたもの。チョコレート、ナッツ、果実加工品などが加えられる場合もある。
名称[編集]
本来の英語圏では日本でいうところのクッキーと区別は存在せず、英国では両者をビスケットと呼び、米国では両者をクッキーと呼ぶ。米国のビスケットは英国のスコーンに近いもので、日本ではケンタッキーフライドチキンなどを通して知られている(後述)。
ビスケットの名はフランス語のビスキュイ(biscuit)から来ている。フランス語でbisは「2」を意味する接頭語もしくは「2度」を意味する副詞であり、cuitは動詞cuire(「焼く」を意味する)の過去分詞形であるため、全体として「二度焼いた」という意味を表す。さらに遡っての語源はラテン語の「二度焼いたパン」ビスコクトゥス・パーニス(biscoctus panis)より。これは保存食として作られた堅パンを指す。現代フランスに於いても、ビスキュイの語には菓子のそれと堅パンの両義がある。
さらにフランスではビスキュイの一種としてサブレと呼ばれるものも存在する。これはビスキュイ(ビスケット、クッキー)に比べてバターあるいはショートニングの量が多く、よりさっくりした食感のものを指す。
日本のビスケット[編集]
歴史[編集]
日本におけるビスケットの歴史は古く、黒船来航の際には日本人にふるまわれ、好評を得ていた。
定義[編集]
日本では、1971年(昭和46年)に施行されたビスケット類の表示に関する公正競争規約において、
- (定義)第2条
- この規約で「ビスケット」とは、小麦粉、糖類、食用油脂および食塩を原料とし必要により澱粉、乳製品、卵製品、膨張剤、食品添加物の原料を配合し、または、添加したものを混合機、成型機およびビスケットオーブンを使用し製造した食品をいう。
- (種類別の名称)第3条
- 規約第3条第1号アに定めるクッキーとは、次に掲げるものをいう。
- (1)「手作り風の外観を有し、糖分、脂肪分の合計が重量百分比で40%以上のもので、嗜好に応じ、卵、乳製品、ナッツ、乾果、蜂蜜などにより製品の特徴づけをおこなって風味よく焼き上げたもの。
- 規約第3条第1号アに定めるクッキーとは、次に掲げるものをいう。
と定義付けられている。これは、当時の日本にあって、「クッキー」は「ビスケット」よりも高級品だと思われていたため、安価な「ビスケット」を高級品である「クッキー」というのは、消費者を誤認させる恐れがあるとの判断から、定められたものである。ただ、この規約は日本ビスケット協会による自主ルールであるため、協会に加盟していなければこれに従う必要はない。
米国のビスケット[編集]
米国で言うビスケットとは、生地にショートニングやラードを加え、重曹とベーキングパウダーで膨らませた、外側はサクサク感で内側はふっくらとした食感のあるパン/ケーキのこと。英国のプレーンのスコーンとよく似ているが、動物性油脂のバターを使うスコーンに較べて植物性油脂のショートニングを使うビスケットは油気が少なくあっさりしている。朝食として供されるほか、料理の付け合わせや菓子類に加工されることもある。料理ではグレイビーをかけたり、焼いたハムやソーセージを挟んで食べることもあり、アメリカ南部料理によく使用される。また本来のショートケーキはスポンジケーキではなくこのビスケットを土台に用いたものを指す (ショートとは「サクサクしている」「崩れやすい」という意味)。
日本ではケンタッキーフライドチキンが、このタイプのビスケットを販売している。
ビスケットの日[編集]
1980年に社団法人全国ビスケット協会では、2月28日をビスケットの日と定めている。