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2008年2月24日 (日) 16:01時点における版
第56回NHK紅白歌合戦は、2005年12月31日(JST、以下同じ)にNHKホールで行われた、通算56回目のNHK紅白歌合戦。19時20分~23時45分に生放送された(21時25分~21時30分はニュースのため中断。BShiは別番組)。双方向対応番組。
この回は、戦後60年にあたって、「スキウタ ~紅白みんなでアンケート~」が実施された。アンケートの意義などについては賛否の声があった。
目次
放送メディア
- 国内向けには、総合テレビ・BS2・BShi・ラジオ第1放送。
- 海外向けには、NHKワールド・プレミアム(NHKワールドTVでは放送されない)、および、NHKワールド・ラジオ日本(アジア大陸・東南アジア地域のみ。それ以外の地域は時差放送)。
- NHKワールド・プレミアムでは翌2006年1月1日の7時20分~11時50分に再放送が行われた(5分間の中断ニュースを挟む)。
放送まで
- 11月21日にアンケート「スキウタ」上位100位の曲が発表された。
- 12月1日に紅白出場者が発表された。紅白各30組の計60組のうち初出場は16組。
- これまで紅白には縁がなかった松任谷由実と山崎まさよし、SHOW-YAが初出場を果たし、スキウタのアンケート結果から渡辺美里も初出場となった。また、SMAPは2003年の第54回2年振りの出場で、前回同様大トリを務めた(返り咲き出場でのトリは、第43回の由紀さおり以来、白組としては第7回の灰田勝彦以来)。他方で、ケツメイシやEXILE、Every Little Thing、ORANGE RANGE、Janne Da Arc、平井堅、ゆず、GLAY、L'Arc〜en〜Ciel、Gackt、globeなどが出場を辞退した。
- モーニング娘。は、卒業メンバーを加えた総勢19名の特別編成での出場となり、注目を集めた(卒業メンバーのうち3名は松浦亜弥&DEF.DIVAとしても出場。また、Wとして活動していた2名は、前年の紅白で初出場を果たした)。
- ソロとして、事前打診されていた大トリを拒否した和田アキ子がm-flo loves Akiko Wadaとして白組に出場する事も話題となった。
- 特別審査員として安藤美姫に出演を打診したが、トリノオリンピック直前であり辞退した。
- 12月21日には出場曲が発表されて、その9日後の30日には曲順が発表された。
- 曲目決定に関し、「スキウタ」のデータがどのように反映されたのか分かりにくい結果となった。実施方法の不備、組織票による出場歌手への反映などの問題点が指摘され、アンケートの意義を含めて賛否の声が上がった(当該記事参照)。
- 和田の辞退後、紅組トリに内定していたDREAMS COME TRUEは直前になってから、ボーカルの吉田美和が「緊張する」と急遽辞退し、天童よしみが務めることになった。
当日のステージ
- SMAPは、「Triangle」で大トリを務めた。また、スキウタ白組1位「世界に一つだけの花」を歌い、「タイムスリップ60年 昭和・平成ALWAYS」でも大トリを務め、メンバーがそれぞれ曲紹介を行い、持ち歌2曲を披露しこの年の主役だった。尚、この年の紅白はSMAPファンから好評だった
- 倖田來未は、日本レコード大賞の受賞を司会のみのもんたに祝福された。注目されていたゴリエとの衣装対決では、2人で仲良く着物姿で共演する場面があった。
- これまでは前半はポップス、後半は演歌というのがパターンだったが、この回は演歌、ポップスが満遍なく配置された。
- テレビ東京の裏番組『年忘れにっぽんの歌』に対抗し、トップバッターには細川たかしと川中美幸が選ばれた。なお、川中は翌第57回には一転して紅組トリに起用された。
- 終戦60年を記念し、吉永小百合が山梨から原爆詩を朗読した。その後、さだまさしの『広島の空』、森山良子・直太朗親子の『さとうきび畑』という平和を考える歌が続く演出がとられた。この2曲は、歌詞表示テロップの書体も特に楷書体になった。また、吉永にとっては審査員を務めた1997年の第48回以来の紅白出演である。
- 氣志團の「One Night Carnival」では民放の格闘技を意識した演出があり、曙がボブサップにKO負けしたシーンも再現された。紹介時のテロップ出しもPRIDEと同じ形式だった。
- これまで審査員席に座っているだけだった特別審査員が壇上でトークや曲紹介を行った(後述)。
- D-51は司会の仲間由紀恵が主演のテレビドラマ『ごくせん』(日本テレビ系)「NO MORE CRY」を歌唱。曲前には同ドラマで学生役を演じていたWaTの小池徹平も登場した。
- 山崎まさよしは曲中に登場する桜木町から中継出演した。また、演奏指揮の服部隆之は2年連続の出演となった。
- 夏川りみは「スキウタ」の結果からこの年も「涙そうそう」を披露した(同曲4年連続歌唱は初)。なお、翌年の第57回では「花~すべての人の心に花を~」を歌唱した。
- みのもんたは期待通り名調子を聞かせた。しかし、みの本人は年明けに「満足度は10%。大不満」「もう少し演出の方法があるね。曲紹介に主眼を置くNHKと自分には相いれないものがあった」「尊敬する宮田輝アナウンサーがやっていた『ふるさとの歌まつり』みたいなのをやりたいね」とのコメントを表した。また、みのは総合司会的立場での司会ではあったが、あまりにも白組を贔屓する司会をした為、賛否両論の意見があった。
- 宮川泰がエンディングの「蛍の光」で指揮をするのはこの回が最後となった(翌年死去したため)。
- この番組の40分後、新年明けてからすぐに、紅白の出番を終えたばかりのさだまさしが司会をする生放送番組『新春いきなり生放送!!「年の初めはさだまさし」』が放送され、司会のさだのほかにさだと親交のある紅白出場歌手(小林幸子、平原綾香、スキマスイッチ)が出演し、紅白を振り返る内容が放送された(その際には、さだがこの紅白の内容を批判している)。この企画が好評であった事から、翌年からは紅白出場歌手のゲスト出演はなくなったものの、さだの番組は三年連続で正月に生放送されている。
ハプニング
- 山本耕史が前川清を「山川」と間違え、慌てて訂正する一幕も。この時前川は歌い終わりの挨拶で「どうも、山川でした」と言って笑いを取った。また、みのもんたも後で前川に「山川さん」とわざと呼びかけるなど終始ネタにされた。
- WaTの小池徹平が演奏開始直後にギターの弦を切ってしまった。また、ちょうどサビに入ったところでカメラマンが誤ってマイクスタンドを2本とも倒してしまう。スタンドが立て直されるまでの間、2人は声を張り上げて歌い続け、マイクが直った後は観客から大きな拍手が送られた。
- 中島美嘉の時は時間が押していたらしく、彼女が「雪の華」の歌唱終了直後、同曲の(歌詞の後の)最後の演奏を切る形で、いきなり次の北島三郎の「風雪ながれ旅」のイントロが流れ、不自然な終わり方となった。また、曲紹介では仲間由紀恵に「なかじまみか」と言い間違えられた。
- ポルノグラフィティは、曲紹介を省略された。
- みのがラジオ放送席から聴取者に向けたラジオ放送のみのメッセージを送った。これは、NHKの番組制作者がみのに与えた、2分間のフリートークの一環として行われたものである。
- 松任谷由実は上海から中継で出演したが、放送直前に中継場所が変更された。
- 時間がおしてしまい、結果発表後にみのもんたが優勝旗を急いで山本に渡し、さらに旗を渡している真っ最中に蛍の光が始まるなど例年になくあわただしい幕切れになった。
結果
審査の集計方法が大きく見直され、会場審査・デジタルテレビ・携帯電話を含めた全審査員の投票数すべてをそのまま反映するようになった。なお、会場での審査には専用の紅白の団扇のうち勝ったと思われる方をステージ上のレーダーに向ける『ポップジャム』でのブレイクレーダーの方式が用いられた。団扇を用いる審査は、2002年の第53回以来3年ぶりであったが、団扇はブレイクレーダーに反応するよう、加工が施してある(従来のように、両軍司会者の似顔絵は描かれていない)。また、この回からNHK番組制作局長が務めていた審査委員長は撤廃となった。
投票の結果、28,884対23,414で白組が優勝し、通算「紅組28勝・白組28勝」のタイとなった。
前年までNHKの放送総局長が司会者に優勝旗を渡すのが恒例だったが、この回では、みのもんたが山本耕史に優勝旗を渡した(翌年以降は特別審査員の主格人物が担当している)。
司会者
今回の紅白歌合戦は、司会者に関して、初めて紅白の区別を設けないことになったが、事実上は、紅組司会を仲間由紀恵が、白組司会を山本耕史が務めた。また、NHK以外のアナウンサー経験者としては古舘伊知郎以来となるみのもんたが司会に加わった。
みのはNHKで、山本は地上波で初の司会となった。みのの過去のNHKへの出演番組は衛星放送の特集で、山本はBS2の「新・真夜中の王国」で司会をした程度だった。また、一部では紅組司会を仲間、白組司会をSMAPの中居正広がそれぞれ務めるとも報じられた他、中居が辞退したために山本に変更されたという報道もある(ちなみに中居は翌年に白組司会に復帰)。
- みのもんた
- 山根基世アナウンサー(放送センターアナウンス室長)
- 仲間由紀恵(翌年の大河ドラマ『功名が辻』の主人公・千代役)
- 山本耕史(翌年の正月時代劇『新選組!! 土方歳三 最期の一日』の主人公・土方歳三役)
- ラジオ中継:藤崎弘士アナウンサー、黒崎めぐみアナウンサー
- サポート:高山哲哉アナウンサー、神田愛花アナウンサー
- 『スキウタ』担当だった関係で、番組中中間審査の投票呼びかけなど補助業務を行った。
メイン演奏
- 三原綱木とザ・ニューブリード・東京放送管弦楽団(指揮:三原綱木)
審査員
- ゲスト審査員(別記)
- デジタルTV審査員(地上・BSデジタルハイビジョン放送の視聴者)
- ケータイ審査員(携帯電話で審査、10,000名)
- ふるさと審査員(デジタルTV審査員・ケータイ審査員の応募者から抽選で会場に招待された20名)
- 会場審査員(ふるさと審査員・特別審査員を含めたNHKホールの観客全員)
出場歌手
「世界に一つだけの花」を歌った歌手一覧
- SMAP
- AI、DEF.DIVA、m-flo、伊藤由奈、北山たけし、
- グループ魂、コブクロ、SHOW-YA、スキマスイッチ、渡辺美里
- 大塚愛、氣志團、鈴木亜美、平原綾香、水森かおり、
- T.M.Revolution、BoA、w-inds.、島谷ひとみ、中島美嘉
- 夏川りみ、ゴスペラーズ、モーニング娘。(一部)、天童よしみ、森山良子
- 山川豊、長山洋子、香西かおり、藤あや子、坂本冬美
- さだまさし、鳥羽一郎、美川憲一、石川さゆり、和田アキ子
- 細川たかし、五木ひろし、森進一、北島三郎
タイムスリップ60年 昭和・平成ALWAYSの内容一覧
- 司会、審査員、森光子とのトーク(バック「リンゴの唄」)
- 「東京ブギウギ」/松浦亜弥
- 「上を向いて歩こう」/布施明、ゴスペラーズ
- 「恋のバカンス」(みのもんた宙づり)
- 「男はつらいよ」(語り:北島三郎)
- 「バン・バン・バン」/氷川きよし、コブクロ、スキマスイッチ
- 「17才」/島谷ひとみ、水森かおり
- 「年下の男の子」/高橋愛・紺野あさ美・藤本美貴(モーニング娘。)
- 「UFO」/美川憲一、寺田恵子(SHOW-YA)
- 「プレイバックPart2」/夏川りみ、平原綾香
- 「YOUNG MAN (Y.M.C.A.)」/和田アキ子、氣志團
- 「セーラー服を脱がさないで」/吉澤ひとみ・小川麻琴(モーニング娘。)、安倍なつみ・後藤真希・石川梨華(DEF.DIVA)
- 「恋のマイアヒ」/SMAP、コーナー出演者全員
ゲスト出演者
ゲスト審査員
- 琴欧州勝紀(大相撲・大関):浜崎あゆみの曲紹介に登場
- 薬師丸ひろ子(女優):伊藤由奈の曲紹介で映画「スター・ウォーズ」のC-3PO、R2-D2と共に登場
- 野口聡一(宇宙飛行士):スキマスイッチの曲紹介に登場
- 長澤まさみ(女優。翌年の大河ドラマ『功名が辻』の小りん役):自身が出演したドラマ『優しい時間』の主題歌である平原綾香の曲紹介に登場
- 山田洋次(映画監督):新作『武士の一分』の主役である木村拓哉と共に前川清の曲紹介に登場
- 森光子(女優):「タイムスリップ60年 昭和・平成ALWAYS」コーナーに出演
- 上川隆也(俳優。翌年の大河ドラマ『功名が辻』の主人公・山内一豊役):壇上で仲間由紀恵と”夫婦”競演
- 眞鍋かをり(タレント):TOKIOの曲紹介に登場
- 林家正蔵(落語家):森進一『おふくろさん』の曲紹介に登場
- 栗原はるみ(料理研究家):一青窈の曲紹介に登場
演奏ゲスト
応援ゲスト
- 細川茂樹:布施明の『少年よ』(『仮面ライダー響鬼』の主題歌)の曲中にサプライズゲストとして登場。また響鬼・威吹鬼・轟鬼が殺陣を披露した。
- モリゾー・キッコロ:松浦亜弥・DEF.DIVA・モーニング娘。のバックダンサー。
- Berryz工房、℃-ute(ハロー!プロジェクト・キッズ):同上。
- まちゃまちゃ:氣志團の曲紹介
- コロッケ:コブクロの曲紹介
- 鳥越俊太郎:ゴスペラーズの曲紹介
- 『風のハルカ』の水野一家(村川絵梨、渡辺いっけい、真矢みき、黒川芽以)
- グッチ裕三:氷川きよしの曲紹介
- 佐藤江梨子:SHOW-YAの曲紹介
- 宮崎哲弥:WaTの曲紹介
- ヒロシ:小林幸子の曲紹介
- アンジャッシュ:T.M.Revolutionの曲紹介
- アンガールズ:aikoの曲紹介
スタッフ
- 制作:大鹿文明(番組編成局芸能番組センター長)
- チーフプロデューサー:石原真(バンド架空楽団のベーシスト。ポップジャム担当)
- エグゼクティブプロデューサー:遠藤正雄
- 演出:中村雅郎(ポップジャム演出)
視聴率
放送日の12月31日の夜、TBSとフジテレビでは高い視聴率が見込める格闘技の特別番組を用意し(「K-1 PREMIUM 2005 Dynamite!!」・「PRIDE 男祭り 2005」)、日本テレビやテレビ朝日も各自特別番組を編成して紅白に対抗した。また例年「年忘れにっぽんの歌」を放送しているテレビ東京は紅白の開始時間である19時20分前後に(紅白には落選した)松平健のマツケンサンバI~IIIのメドレーを放送した。
視聴率競争のさらなる激化が予想された中で、司会のみのもんたは「視聴率65%、最低でも50%」と意欲を見せていたが、結果は1部が35.4%(前年30.8%)、2部が42.9%(前年39.3%)で、前年を4.6%、3.6%上回った(以下、データは関東地区、総合テレビのみでBS2・BSハイビジョンは含まない。ビデオリサーチ調べ。以下同じ)。結果発表で、瞬間最高視聴率50.1%を記録した。例年史上最低を更新する状況にこそ歯止めがかかったものの、目標とした65%にははるかに及ばず、みのは「自分の非力を嘆いています」とのコメントを発表した。
なお、注目された各局の視聴率は、フジテレビの「PRIDE 男祭り 2005」が17.0%(20時~23時、番組全体では16.2%(前年14.0%))、TBSの「K-1 PREMIUM 2005 Dynamite!!」(21時~23時40分)が14.8%(前年20.1%)などとなった。
例年翌年2月に総合テレビで行われていた再放送は、トリノオリンピック中心で編成が組まれていたため行われなかった。
関連項目
- スキウタ ~紅白みんなでアンケート~
- つのだ☆ひろの昭和歌謡史 - 同時間帯にNHK-FMで放送された特番。つのだ☆ひろがメインパーソナリティを務めた。
- 2005年の音楽