「大阪2児餓死事件」の版間の差分
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一方、府警は31日、この部屋を現場検証するとともに捜索した。室内の居住部分と玄関までの廊下を仕切るドアの縁に、粘着テープが張られた跡があり、府警は、下村容疑者が外出している間、ドアを固定して子供たちを室内に閉じ込めようとしていたとみている。 | 一方、府警は31日、この部屋を現場検証するとともに捜索した。室内の居住部分と玄関までの廊下を仕切るドアの縁に、粘着テープが張られた跡があり、府警は、下村容疑者が外出している間、ドアを固定して子供たちを室内に閉じ込めようとしていたとみている。 | ||
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+ | ベランダや室内には、スナック菓子やハンバーガーの袋、おむつが散乱していた。子どもにファストフードやお菓子ばかり与えていたとみられる。近くのピザチェーン店の男性店員によると、今年2月、下村容疑者宅にピザ1枚と5個入りのチキンナゲット二つ、オレンジジュース1本を2回、宅配したという。 | ||
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+ | しかし、間もなく、下村容疑者はお菓子すら与えなくなった。「子どもなんかいなければいい」。育児を面倒だと思う気持ちが強くなったのか。最後は食料も水もない部屋に、2人を置き去りにした。 | ||
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+ | 警察が遺体を発見する数時間前の今月29日夕、下村容疑者は約1カ月ぶりに部屋に戻った。その時の様子を、府警に「子どもの体は茶色に変色して腐っていた」と淡々と話しているという。 | ||
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+ | == 子供相談センター == | ||
+ | 下村容疑者がことし1月、風俗店で勤務しながら家族3人で住み始めてすぐのころ。昼夜問わずに泣く子供の声が周囲に響き、部屋のインターホンの受話器が外れていたのか、未明の廊下に、インターホンから「ママー、ママー」と叫ぶ子供の声が漏れることもあった。 | ||
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+ | ある住人は「尋常ではなく、複数の赤ちゃんが泣き叫んでいる感じ。目が覚めることが何度もあった」。実際に住んでいたのは赤ちゃんではなく、3歳児と1歳児だった。 | ||
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+ | 事件のあったマンション住人が3~5月にかけ虐待ホットラインに3回通報し、児童相談所の大阪市子ども相談センター(大阪市中央区)が同時期に5回訪問したが室内の状況はつかめなかった。2008年施行の改正児童虐待防止法で強制立ち入りが可能となったが、強制立ち入りは出頭要求に2回応じなかった場合などに、児童相談所が裁判所に許可状請求して行う。出頭要求には保護者や子供の名前が必要だが、今回は分からず強制立ち入りできなかった。 | ||
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+ | 厚労省担当者は「名前が分からないと難しい。あまりないケースだ」と困惑。マンションを訪問した同センター職員は「物音も子供の泣き声もなかった」と話した。 | ||
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2011年9月17日 (土) 15:39時点における版
大阪2児餓死事件(おおさかにじがしじけん)とは、2010年7月に大阪市西区で起こった事件。
概要
事件発覚
大阪市西区南堀江1丁目のマンションの一室で7月30日未明、幼い女児と男児の遺体が見つかった。「部屋から異臭がする」という女性の勤務先の風俗店の男性従業員からの110番で駆けつけた西署員が2人の遺体を発見した。遺体は腐敗が進み一部が白骨化していた。
府警は同日午後、この部屋に住んでいた風俗店「クラブリッチエレガンス」の店員下村早苗容疑者(23)を死体遺棄容疑で逮捕し、発表した。府警は西署に捜査本部を設置し、殺人や保護責任者遺棄致死容疑の適用を視野に捜査。
下村早苗の父は、高校ラグビー界で有名な下村大介氏。
事件の経緯
- 3月30日 マンション住民から大阪市子ども相談センター虐待ホットラインに通報
- 3月31日 大阪市子ども相談センター職員が訪問、接触できず
- 4月1日 大阪市子ども相談センター職員が訪問、接触できず
- 4月2日 大阪市子ども相談センター職員が訪問、接触できず
- 4月5日 マンション管理会社に連絡するも住民の世帯構成など確認できず
- 5月8日 再び住民から大阪市子ども相談センターに通報
- 5月9日 大阪市子ども相談センター職員が再度訪問するも不在。子供の泣き声聞こえず
- 5月18日 再び住民から大阪市子ども相談センターに通報。午後に大阪市子ども相談センター職員が訪問するも不在。物音など一切聞こえず
- 6月中旬 下村早苗、2人の子供を部屋に残し、家出
- 6月下旬 餓死したと見られる。 下村早苗、一度帰宅。死んでいるのを見て家出
- 7月29日 下村早苗、再度帰宅。腐敗しているのを見て再び家出
- 7月30日 下村早苗が勤務していた風俗店の同僚男性が部屋で2遺体を発見。同日午後、下村早苗を逮捕
事件まで
捜査1課によると、亡くなったのは下村容疑者の長女の羽木(はぎ)桜子ちゃん(3)と、長男の羽木楓(かえで)ちゃん(1)。下村容疑者は2人の遺体を部屋に放置した疑いが持たれている。府警の調べに対し、下村容疑者は6月下旬ごろ、2人を残したままマンションを出たと供述し、「ご飯も水も与えなければ生きていくことはできないとわかっていた。私自身が育児放棄したことによって殺してしまった」と話している。
遺体は腐敗や白骨化しており、一部ミイラ化していた。司法解剖の結果、死因は不詳で、死後1~2カ月たっていた。胃や腸に食料は残っておらず、府警は少なくとも数日間は何も食べておらず、餓死の可能性もあるとみている。骨折や皮下出血など外傷はなかった。遺体発見時、2人は部屋の中央付近に裸で仰向けに倒れ、布団などは敷かれていなかった。
府警に対する供述によると、下村容疑者は風俗店に勤め始めた今年1月ごろ、店が借りているこの部屋に住み始めた。そのころから2人に食事を与えたり、風呂に入れたりするのが嫌になり、「子どもなんていなければいいのに」と思うようになった。6月下旬ごろ、2人を残してマンションを出た後、友人宅を転々とした。今月29日午後6時ごろいったん部屋に戻り、2人が亡くなっているのを見つけたが、そのまま部屋を出た。
供述
下村は店関係者に「子供をほったらかしにしているので、死んでいるかもしれない」と話していた。「育児を放棄して殺してしまった」と容疑を認めているという。 「ご飯をあげたり、風呂に入れたりすることが嫌になった。子どもなんかいなければいいと思うようになった」「ご飯も水もあげなければ、小さな子どもは生きていけないことは分かっていた」と供述しているという。
子供2人は昨年5月に離婚した元夫との子。下村容疑者が1人で育てていた。30日未明に発見された遺体は腐敗が進み、司法解剖で死因は特定できなかったが、死後1~2カ月で栄養不足が疑われ、死亡前数日は食事を取っていなかったとみられるという。遺体発見時、室内はごみが散乱し、冷蔵庫に食べ物は入っていなかった。 マンションの住民によると、この部屋やベランダからは、ごみが腐ったような異臭がし、1~2カ月前まで、中から赤ちゃんの叫び声のような泣き声がしていた。 同市のこども相談センターには、虐待を疑う通報が3月以降3度寄せられ、職員が5月18日までに5度訪問したが応答がなく、室内に入れなかったという。
下村早苗容疑者(23)が大阪府警の調べに、「ホストクラブで遊ぶのが楽しくて育児が面倒になった。もっと遊びたくて家を出た」と供述していることがわかった。府警は、ホストクラブ通いにはまったことが、ネグレクト(育児放棄)の直接動機になったとみて裏付けを進める。 下村容疑者は今年1月、大阪・ミナミの風俗店で働き始めた前後から周辺のホストクラブに通い始めた。4月頃には、複数の店をはしごするなどし、長女(3)と長男(1)を部屋に残したまま、2~3日間、外泊することもあったという。 複数のホストと交際していたといい、6月下旬に2人を置き去りにして家を出て行った後は、友人宅などを転々とし、妹宅を訪ねたり、地元の三重県に戻ったりもしていた。2人のことは「実家に預けた」と答えていたという。 一方、府警は31日、この部屋を現場検証するとともに捜索した。室内の居住部分と玄関までの廊下を仕切るドアの縁に、粘着テープが張られた跡があり、府警は、下村容疑者が外出している間、ドアを固定して子供たちを室内に閉じ込めようとしていたとみている。
ベランダや室内には、スナック菓子やハンバーガーの袋、おむつが散乱していた。子どもにファストフードやお菓子ばかり与えていたとみられる。近くのピザチェーン店の男性店員によると、今年2月、下村容疑者宅にピザ1枚と5個入りのチキンナゲット二つ、オレンジジュース1本を2回、宅配したという。
しかし、間もなく、下村容疑者はお菓子すら与えなくなった。「子どもなんかいなければいい」。育児を面倒だと思う気持ちが強くなったのか。最後は食料も水もない部屋に、2人を置き去りにした。
警察が遺体を発見する数時間前の今月29日夕、下村容疑者は約1カ月ぶりに部屋に戻った。その時の様子を、府警に「子どもの体は茶色に変色して腐っていた」と淡々と話しているという。
子供相談センター
下村容疑者がことし1月、風俗店で勤務しながら家族3人で住み始めてすぐのころ。昼夜問わずに泣く子供の声が周囲に響き、部屋のインターホンの受話器が外れていたのか、未明の廊下に、インターホンから「ママー、ママー」と叫ぶ子供の声が漏れることもあった。
ある住人は「尋常ではなく、複数の赤ちゃんが泣き叫んでいる感じ。目が覚めることが何度もあった」。実際に住んでいたのは赤ちゃんではなく、3歳児と1歳児だった。
事件のあったマンション住人が3~5月にかけ虐待ホットラインに3回通報し、児童相談所の大阪市子ども相談センター(大阪市中央区)が同時期に5回訪問したが室内の状況はつかめなかった。2008年施行の改正児童虐待防止法で強制立ち入りが可能となったが、強制立ち入りは出頭要求に2回応じなかった場合などに、児童相談所が裁判所に許可状請求して行う。出頭要求には保護者や子供の名前が必要だが、今回は分からず強制立ち入りできなかった。
厚労省担当者は「名前が分からないと難しい。あまりないケースだ」と困惑。マンションを訪問した同センター職員は「物音も子供の泣き声もなかった」と話した。