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この「avada kedavra」は、「私が話したとおりになる」を意味するアラム語「Avara Kedavra」とイギリス字訳で一文字だけ異なっている。これは、ハリー・ポッター作中でラテン語由来でない数少ない単語の1つである。 | この「avada kedavra」は、「私が話したとおりになる」を意味するアラム語「Avara Kedavra」とイギリス字訳で一文字だけ異なっている。これは、ハリー・ポッター作中でラテン語由来でない数少ない単語の1つである。 | ||
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2010年8月19日 (木) 06:40時点における最新版
この項目では、呪文について説明しています。講談社の漫画雑誌については「アブラカダブラ (漫画雑誌)」をご覧ください。 |
アブラカダブラ(Abracadabra または Abrakadabra)は、適切な語訳を持たないが世界中で広く用いられている呪文である。またアブラカタブラとも言う人もいる。
目次
歴史[編集]
この呪文は近年、手品を披露する際の掛け声として世界中の手品師により利用されている。しかしながらこの言葉は、古くは熱病や炎症を癒すための呪文として真剣に唱えられていた。この呪文について言及した最古の書物は2世紀のセレヌス・サンモニクス(Serenus Sammonicus) の詩集『De Medicina Praecepta』である。セレヌス・サンモニクスはローマ皇帝・カラカラの内科医であった。彼は病苦に悩まされる皇帝に対して、この呪文を逆円錐型に記したものを入れたお守りを身に着けるようにと処方し、この呪文の力で患者の病の原因である精霊の支配が弱まると説明した(下図参照)。
A B R A C A D A B R A A B R A C A D A B R A B R A C A D A B A B R A C A D A A B R A C A D A B R A C A A B R A C A B R A A B R A B A
ゲタ (Publius Septimius Geta) とアレクサンデル・セウェルス (Alexander Severus) を含む他のローマ皇帝もセレヌス・サンモニクスの医学の教えの支持者であったため、彼らも同様にこの呪文を使用した可能性がある。
語源[編集]
この言葉の語源に関する仮説を以下に記す。
私が言うとおりになる[編集]
アブラカタブラの語源はアラム語の כדברא אברא(avra kedabra あるいは avra K'Davarah)であるという主張がある。これは「I will create as I speak(私が言うとおりになる)」を意味する。
呪いと疫病[編集]
アブラカタブラの語源を、ヘブライ語の祝福(「呪い」の婉曲表現として用いられる)を意味する単語 ha-brachah と、疫病を意味する単語 dever のアラム語形である dabra とする見解もある。この説を支持する学者は、カバラにおける盲目の治療法(シャブリリ Shabriri という目の病魔を呪文を唱えることで退治する)との関連を指摘する。一方、この起源について懐疑的な学者は、悪霊の力を減少させるという考え方は古代の世界では共通したものであり、アブラカダブラもそのような悪霊の名の一つに過ぎないと主張している。
この言葉のようにいなくなれ[編集]
アブラカダブラの語源はアラム語で「disappear like this word(この言葉のようにいなくなれ)」を意味する אבדא כדברא (abhadda kedhabhra) であると主張する人もいる。このアラム語は、呪いの言葉としてよりも病気の治療のために用いられていたと考えられている。
アブラクサス[編集]
アブラカダブラの語源はアブラクサス (Abraxas) に由来すると主張する人もある。アブラクサスはグノーシス主義における高次霊アイオーンの名前で、偉大なアイオーンとされる。アブラクサスを表現するギリシア語の文字「α β ρ α ξ α ς」を、文字が数字を表現する古代ギリシア語の「文字数字」で数字として合計を勘定してみると、365になる。この数字は、アブラクサスが流出によって創造したとされる365体のアルコーンの数に一致する。また、シリア人の神であったと言われているアブラカラン(Abracalan もしくは Aracalan)由来であるという説もある。
テレマ[編集]
宗教団体のテレマ (Thelema) では、「アブラハダブラ (Abrahadabra)」という言葉を綴ってこの世界の神秘的な公式であるとみなしている。この宗教団体の創立者アレイスター・クロウリーは自著「ゲマトリア (Gematria)」の中で、この言葉はカバラ的手法で発見し(スペルを綴った)と説明している。彼曰く、この言葉を発見したのは1901年1月に彼の師の一人であるオスカー・エッケンシュタインに会う前であったらしい(エッケンシュタインはこのミーティングで当座の魔法の使用と瞑想をやめるよう彼に命令した)。この言葉が1904年にホルスの呪文として繰り返し現れたことから、クロウリーは Thelema の設立に至った。また、1901年の日誌では、クローリーが「The Equinox」内で発表したと記されている (Equinox I, No.7. 1912)。
ヒンズー教徒、クリスチャン、および無宗教者ごとに各々の問題を記した「ゲマトリア」を製作し、これを配布した件について、クローリーはこの魔法の言葉(アブラハダブラ)が答えであることを示唆している。さらに彼は、種々の言い回しに対応するカバラと、簡潔で象徴的な答えをこの本の読者に与えた。なお、無宗派版の本を読むと、「I am the finite square; I wish to be one with the infinite circle.」 Its equivalent refers to 「the Cross of Extension」 and 「the infinite Rose.」とある。アブラハダブラに関するクローリーの数秘学的な説明は、主にこの最終公式とその答えに焦点を合わせている。
ハリー・ポッターにおける Avada Kedavra[編集]
イギリスの児童文学作家J・K・ローリングの小説、ハリー・ポッターにおける「呪殺」の呪文Avada Kedavraは、アラム語の「avada kedavra」もしくはその類義語から引用されたと考えられる。「avada kedavra」を簡単に訳すと、「私が言ったものは破壊される」となる。なお、この語はラテン語で死体を意味する単語「cadaver」の影響を受けている。 この「avada kedavra」は、「私が話したとおりになる」を意味するアラム語「Avara Kedavra」とイギリス字訳で一文字だけ異なっている。これは、ハリー・ポッター作中でラテン語由来でない数少ない単語の1つである。
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