連体詞のソースを表示

'''連体詞'''（れんたいし）とは、[[日本語]]の[[品詞]]の1つである。そして、他の品詞と連形させたものである。

日本語特有の、[[英語]]や[[中国語]]にはない品詞名である。しかしその[[名詞]]を[[修飾語|修飾]]するという機能に着目した場合、[[活用]]によって他にもさまざまな機能を持つ日本語の[[形容詞#日本語の形容詞|形容詞]]よりも、連体詞の方が、他の言語の形容詞に近い。[[朝鮮語]]には連体詞に当たるものがあり、「冠形詞」という。日本語文法では、活用の有無により、一部において「連体詞は18個しかない」という情報があるが、これは誤りである。現代では、一般的に用いられる連体詞は、考え方にもよるが、文語的なものを入れておよそ50個ほど存在する。

== 種類 ==
[[自立語]]で[[活用]]がなく、[[体言]]のみを修飾することば（[[連体修飾語]]）。ほとんど修飾を受けないが、ごく一部が、[[副詞]]や[[体言]]の[[連用形]]に修飾される。

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!型式!!例語!!備考
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|「- の」型　　　　　　　||  '''あの''' 　　　　　　 ||「''あの''山は[[槍ヶ岳]]だ」では「山」を修飾する。<br />本来は「名詞」+[[格助詞]]「の」だったものが多い。「その」「どの」「この」「かの」「くだんの」「ほんの」「当の」「例の」など。「ずぶのしろうと」の「ずぶの」もここにいれることがある。
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|「 - が」型||'''我が'''||「''我が''国」では「国」を修飾する。<br />の型と同様に、格助詞「が」を伴うもの。「われらが」「おらが」など。
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|「 - る」型||'''いわゆる'''||「1990年前後には''いわゆる''冷戦体制が崩壊した」では「冷戦体制」を修飾する。<br />本来は[[動詞]]の[[連体形]]だったものが多い。「ある」「とある」「さる」「きたる」「あくる」「あらゆる」「いかなる」「なんたる」「かかる」「さしたる」「確たる」「最たる」「主たる」「名だたる」「単なる」など。「目くるめく」、「病める」なども連体形以外で使われることはまれで、ほぼ連体詞化している。
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|「 - な」型||'''大きな'''<br />'''小さな'''<br />'''おかしな'''||「大きい」「小さい」「おかしい」の活用形ではない。<br />しかし、「目の大きい／小さい（人）」「頭のおかしい（人）」の「大きい」「小さい」「おかしい」と同様に「目の大きな／小さな（人）」「頭のおかしな（人）」と名詞修飾節の述語を構成しうる点で、他の連体詞とは異なる。「ひょんな」「いろんな」「異な」「あじな」「ろくな」など。「いかな」は「いかなる」が変化したもの。
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|「-ぬ」型||'''あらぬ'''||「''あらぬ''方向に走る」の「あらぬ」は「方向」を修飾する。本来は動詞「あり」+否定の助動詞「ず」の連体形。「よからぬ」も現代語としてはこのタイプの連体詞とみなせる。
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|「 - た（だ）」型||'''たいした'''||例：たいした人物。<br />本来は動詞の[[連用形]]+[[助動詞 (国文法)|助動詞]]「た」の連体形だったものが多い。「とんだ」「ふとした」「大それた」「れっきとした」など。
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|「-き」型||'''くしき'''||「''くしき''えにし（奇しき縁）」では「えにし」を修飾する。本来はシク活用の形容詞［奇し］の連体形。「きたるべき」など。「あるまじき」「悪しき」などもこの種の連体詞とされることがある。本来は形容詞あるいは助動詞の連体形である。
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|「-いう」型||'''こういう'''||「''こういう''ばあいは」の「こういう」。「そういう」「ああいう」「どういう」など。
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このほか、「''ありし''日の」の「ありし」（←動詞「あり」+過去の助動詞「き」の連体形）、「''そうした''ばあい」の「そうした」、名詞にかかる「おなじ」なども連体詞とみなされることがある。ほとんどは、本来は別の品詞だったのが、連体修飾語として以外の活用形・用法がすたれ、もとの文法的性質が失われたものである。
なお漢字の「''当''委員会」「''本''大会」「''故''中島らも氏」「''各''メンバー」のような用法も連体詞的だと言える。

== 関連項目 ==
{{Wiktionary|連体詞}}
*[[現代日本語文法]]
*[[形容詞]] - 日本語の連体詞は他の言語の形容詞に相当する。

{{DEFAULTSORT:れんたいし}}
[[Category:品詞]]
[[Category:日本語文法]]
{{Wikipedia/Ja}}